イギリスで拡大するコロナの変異種の脅威


   感染者数・死者数の増加でひっ迫する医療現場 

 
 

 
 

 

変異株に対するワクチンの効果にも疑問が発生。

 

今年もあとわずか、世界はコロナ禍で始まりコロナ禍で終わろうとしているが、年末にかけ、案じていたように状況は一段と厳しさを増す状況と化して来ている。

「変異ウイルス」による患者が発生しているイギリスでは感染者数が急増し始め、昨日(29日)の新規感染者数は5万3000人となり累計では210万人を超え、死者数増も414人となって累計では7万1000人を超える事態となった。 死者数は人口比を加味すると米国を上回って世界で最大。我が国の22万人、3300人に比べると感染者数で10倍、死者数で20倍である。

変異ウイルスについてはイギリス政府は感染率は70%UPとなるが、死亡率は特別変わることがなく、ワククチン効果も従来のウイルスと変わりはないようだと、発表していたが、どうやらそうした情報は嘘事であったようである。というのは、最近の死者数は発表されている死者数よりはるかに多くなっているのが実態のようだからである。

イギリスに在住していたことから、電話によって友人と会話ができる人物に話をお聞きしたところ、イギリス在住の知人から、入院した複数の友人と全く連絡が取れなくなっており、既に死亡していることは間違いなさそうだと、伝えられたようである。どうやら、こうした話が多く伝えられているところを見ると、死者数の実態は発表されている数の数倍に達している可能性がありそうである。

またワクチンの効果も発表されている数値よりは低く、特に変異ウイルスや南アフリカから広がった別種のウイルスに対する効果は低いようである。それは、我が国における風邪ウイルスに対するワクチンが毎年新しいワクチンを使っていることを考えれば、理解できることである。変異ウイルスにはワクチンの効果が少なくなってしまうから、毎年接種するワクチンを変えているのである。

イギリスとの物資や人の行き来に対しては、ドイツやイギリスなどEU諸国は厳しい規制措置を取っているが、米国では既に変異ウイルスの患者が発生しているようなので、おそらく年明け頃からヨーロッパ諸国やその他の国でも同様な状態となりそうである。もしも、それが現実となった時には、米国やヨーロッパにおける1月以降の感染者数と死者数は驚くほどの数値に達することになるかもしれない。

イギリスのハンコック保険相はツイッターで「我々の医療現場はウイルスによってかってない圧力にさらされている」と悲壮な顔で語っていたが、何より心配なのが医療現場の崩壊である。そうしたニュースが流れて来ないことを願っている。 今年最後の記事になると思います。1年間にわたるご講読有難うございました。

 
 

 
 


病床がひっ迫し、治療に当たる医師も限界に近づいているイギリスの医療現場。