久高島の祈り人・前田苗さんを訪ねる
梅雨の明けた7月下旬、沖縄本島南端の東の海に浮かぶ久高島(くだかじま)を訪ねた。そこに住む祈り人・真栄田苗(まえだなえ)さんにお会いするためである。
琉球諸島に住む人々たちは、遠い昔から、久高島を神の島として崇(あが)めてきている。今でこそ私のような俗世間の人間が気楽に訪ねて、祈りの場所「御嶽」(うたき)を見て回ることが出来るが、つい先頃までは、そうしたことはとても許されることではなかったのだ。
この神の島「久高島」では、神女たちによる「祈りの儀式」が今でも続けられており、それを神職として行なっているのが「ノロ」と呼ばれる人たちで、前田苗さん
もその一人である。
島には、遠い神世の昔、久高島にシラタルーとファガナシーと呼ばれる神が降り立った、という話が語り伝えられている。この二人が結ばれて1男3女が生まれ、長男マニワシは
「外間根人
」(ほかまニーチュ)、長女ウトゥダルは「外間ノロ」(ほかまノロ)、3女タルガナーは「久高ノロ」(くだかノロ)の祖となったと言われている。
「外間根人」と「外間ノロ」とは、沖縄本島、宮古島などの久高島以外の御嶽(うたきー祈りの場)で行なわれる祭祀を司る祈り人で、「久高ノロ」は、聖地久高島の祭祀一切を取り仕切る巫女(みこ)である。もちろん、その位(くらい)は「久高ノロ」が最も高く、その頂きに立つノロは、代々久高ノロを勤める家系の中から選ばれ、島を一度でも離れた者にはその資格がない。
我が国には、古くから天孫光臨伝説が残されているが、最初に神々が降り立ったのは、九州の高天原というのが一般的な説である。しかし、久高の伝説では、それよりはるか昔に島の北端、カベール岬に、地上を治める最初の神が降り立ったことを伝えて
おり、沖縄本島を経て九州の地へと神々が渡ったのは、それより遙に後のこととされている。
この伝説が久高島の人達だけの勝手な思い込みでないことを、私はある時、思い知らされることとなった。
それは、奇しくも沖縄での講演会に向かう日本航空の機内でのことであった。
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島に残された神話を追う今回の旅は、やがて「ムー文明」滅亡後の第4世界の誕生へとたどり着く。 ・・・・・・・ また、久高島には、「地底人」との交流の不思議な実話が残されてい
た。その夜、島の宿・宿泊交流館で前田さんの
話をお聞きするにつれ、「久高島」と「ムー文明」のつながりが次第に浮かび上がってきた。 ・・・・・・・・・