カサマチレンガから再びマヌー川を下ってブランキリオへの船旅が始まった。今回の旅で最も長い船旅である。そのためまだ夜が明けきらないうちに出発。
途中リモナル事務所によって荷物の検査を受けた後、ボカマヌーを目指す。流木の上に「スナイロ・アメリカ・ヨタカ」が群れをなして止まっている。川岸にはいろいろな鳥の姿が見える。しかし、先を急ぐためなかなか写真撮影はままならない。
船の行く手に、なにやら茶褐色の2匹に動物が川を渡っているのが見える。キャピバラの一種かと思っていると、砂浜に上がった瞬間駆け出し始めた。望遠レンズで確かめると、なんと「ピューマ」ではないか!
ガイドに告げると、あわてて双眼鏡で覗いている。皆がピューマ、ピューマと叫んでいると、あっという間に二匹が草むらの中に駆け込んでしまった。かろうじて撮った写真が6枚目である。
マヌーでは、ピューマはなかなか見ることが出来ないそうで、6年ガイドしているエドワードがこれで2回目だと興奮気味に語っていた。どういう訳か、私は旅の最中に
こうした幸運にたびたび遭遇する。前回報告した3種類のヤマセミとの出会いもそうだが、北極点を目指した船旅でも、通常は1度しか見られないシロクマに3度遭遇している。
給油のため再び立ち寄ったボカ・マヌーで上陸し、村の近くの川を散策していると蝶の群れに出会った。川岸の土の中に好物が含まれているらしく、盛んに粘土状の土に吸入管を
差し込んでいる。前回のサンペドロ国立公園の旅で見た蝶と一緒で、とても色鮮やかであった。
ここから先は再びマドレ・デ・ディオス川である。そこからさらに4時間、ようやく3時過ぎにブランキリオに到着した。早朝からおよそ9時間の長旅であった。
このロッジを経営しているのは今までのようにインディオやアボリジと違ってスペイン系のペルー人である。そのせいか、大型のロッジの内部は簡素であるがなかなか機能的に造られており、シャワーも使い勝手がよかった。