マチュピチュの遺跡

マチュピチュの遺跡は、小さな一つの都市としての機能を備えている。神殿、皇帝以下階級ごとの住居、広場、天体観測所、水浴場、階段畑などの跡を目にすることが出来る。ただ「本神殿」や「三つの窓の神殿」などの祭礼用の建物以外は、みな小作りで一部屋しかなく、お世辞にも豪華とか華麗と言う言葉は不似合いである。

不思議なことに、小さな石で粗雑に造られた建物や石垣がある一方で、儀式に使われたと思われる建物や祭壇跡は極めて高度の技術を用いて造られており、巨大なブロック石が随所に使われている。一部には200トンを越すほどのものもある。また壁や城壁の一部は、なめらかに磨かれた多面体の石が使われており、クスコの街やサクサイワマンの城塞で見たあの石積みを思い出させる。

これらの点を考慮すると、どうやら、建造の時期や建造者が二つの時代に分かれているようにも思われてくる。また、建造目的も別々であったようだ。

それにしても、空中都市「マチュピチュ」は、何時、誰の手によって、そして何のために作られたのであろうか。ここでも、お馴染みの3W1H(When.Who.What.How)が顔を出す。

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bullet本神殿を含む西側遺跡

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bullet王や貴族の住居跡(東側遺跡)

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bulletリャマとインディオの子供たち

    谷をへだてた西に、サルカンタイ峰(6270m)が見える。

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bullet迷路のような通路と小部屋がつづく
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bullet正門

    この正門を通って都市の中に入っていく。綺麗に組み込
    込まれた石積みは、今でもびくともしていない。

 
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bullet正門前で
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bullet石切場

    この石切場から切り出された石で石造建設の幾つかが
    造られたものと思われるが、すべての遺跡がここから切
    り出されものではなさそうである。

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bulletインティ・ファタナ(太陽を留める柱)

    灰色の岩で出来た奇妙な人工物は、複や切り
     込みから出来ており、巨石の中央には、高さ1.8m一辺
    が36pの角柱が立っている。土台の大きさからして、最
    重要な建造物の一つであったことが分かる。

    太陽が軌道をはずれ、再び大惨事が起きないように、毎
    年、冬至の日には、石柱の真上に来た太陽をつなぎ止め
    ようと、石柱に紐をかける儀式が行われていたと、言われ
    ている。

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bullet水道跡

    マチュピチュ峰の頂からひいてきていると思われる水は、
    今でも、遺跡の水場に流れ出ており、当時の、「ブキオ」
    と呼ばれる灌漑水路の技術の高さに驚かされる。

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bullet本神殿

    正面に4.5mの巨大な角石を据えてあることから、「本
    神殿」と呼ぶ。主要な建造物の一つであったことは、間
    違いない。

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bullet屋根つき小屋

    遺跡の最北部に建つこの建物には、何故か、茅葺きの屋
         根がかけられており、往時を偲ぶことが出来る。

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bullet階段畑と住居跡

    遺跡を取り巻く四方に、階段畑は精緻に造られた石組み
         によって、今でも耕作が十分に可能な状態を維持してい
         る。
    当時は、トウモロコシやジャガイモなどが、計画的に栽培
     されていたことだろう。

    因みに、以下のものは、もともと旧大陸にはなかったもの
    で、そのほとんどが、南米の高地が原産地とされている。

    「ジャガイモ、サツマイモ、トウモロコシ、ピーナツ、ピー
    マン、トマト、イチゴ、カボチャ、唐辛子、パイナップル、
    パパイア」

    「唐辛子」の原産地がペルーとは、驚きの方も多いだろう。
     いずれにしろ、文明の発祥地と農作物の原産地との相関
     関係は、古代文明の発生を探求する上で重要であること
     を忘れないでほしい。

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bulletマチュピチュの「今牛若丸」

  さて、ここでクエッションです。ここに写っているインディオの少
  年は、私たちが乗るバスが動き出すのを今は遅しと待っていま
 す。この少年はこれからどんな行動をとるのでしょうか?

  テレビの人気番組、「世界ふしぎ発見」の問題に採用されそう
  なクエッションである。さてその答えは!

  バスのスタートにあわせて、少年は千尋の谷を一気に駆け下り
   だした。どうやらこの少年は、ふもとの駅に向かって、真一文字
  に500mの崖を駆け下ろうとしているようである。それも、我々
  の乗っているバスと競争しながである。

  カーブを曲がってしばらく走ると,先刻、バスに追い抜かれた
  少年の姿が、決まってそこにあった。その度に、バスの乗客か
   ら歓声と拍手が起きる。こんなことが何度か繰り返されているう
   ちに、まさかと思われるだろうが、なんと終点には少年が先に
  着いて手を振って待っているではないか。

  バスは、いろは坂をくねくね曲がるが、少年は一直線に下るか
  ら出来る早業であっ
   たが、それにしても息も切らずに平然としている少年を見ると
   驚かざるをえない。もちろん最後に、チップをねだったことは
   言うまでもないが。

  インカ帝国時代、キープ(結節縄)を持って走ったチャスキと
  呼ばれる飛脚は、1000キロを3日間で走ったと言われてい
  る。この少年の走り様を見ると、さもありなんと得心するのであ
   った。

  それにしても、昨今の我が国の子供の所行を見るにつけ、ど
   ちらが少年として真っ当なのか考えてしまった。

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bullet今一度、「マチュピチュ」を!
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                     次は、ペルー最南端のチチカカ湖を訪ねます。