昨年までは土日の講演会を避ければ比較的楽に写真撮影に出かけることが出来た。しかし今年の夏からは徳乃蔵がオープンしたため、休館日以外はなかなか出かけられなくなってしまった。加齢と共に自由時間が多くなるのが世の常であるはずなのに、どうやら私の場合はそれとは逆さまのようである。
10月7日は月曜で休館日。この日は有り難いことに台風の合間で天気が良く、写真撮影には格好の日和となった。早朝5時半に家を出て、中央高速を安曇野インターに向けて車を走らせる。向かう先は長野県白馬の八方尾根にある標高2060mの八方池である。
およそ2時間でゴンドラの始発駅八方駅に到着。先ずはそこからゴンドラで兎平(標高1400m)に向かう。次はリフトに乗り換え黒菱平・鎌池湿原(標高1680m)へ。 この辺りから周囲の山々が一気に色づき始める。さらにリフトを乗り換え八方池山荘のある第一ケルン(
標高1830m)に到着。ここまでの所要時間はおよそ25分、ここからは徒歩で本日の目標地点八方池に向かう。
200mの標高差を登るため、登山客の中にはかなりゼイゼイ言っておられる方もおられたが、私は毎日1時間ほど歩いて足腰は鍛えているので、この程度ではさほど苦にならない。標高4000mのアンデス山中を歩いたり、湿度100%のアマゾンで撮影したりしているのに比べれば、はるかに楽である。
夏場なら、途中でお花道や鎌池湿原に立ち寄り、高山植物を写真に収めるところだが、この時期は季節外れなので、紅葉の景色を求めて一気に八方池
へと向かう。途中石がごろごろの道もあるが、整備された木道コースもあり、案内書に書いてある所要時間より早く、およそ1時間で目的地八方池に到着した。
ここから2時間ほどかけると標高2430mの唐松岳に行ける。しかし、今回は時間がなかったので、途中の黄金色に輝くダケカンバの大木が連なる辺りまで登って、八方池に引き返し周辺の紅葉を撮影することにした。6〜7月だと八方池周辺は「ユキワリソウ」が一面に咲き誇るようなので、来年は雪が残る白
馬三山の夏景色と高山植物を撮りに
、7月の終わり頃に訪ねてみたいと思っている。
八方池周辺は標高が2000メートルを超しており、八方尾根屈指の紅葉の景勝地だけあって、ナナカマドの朱色やダケカンバの黄金色が入り交じっ
て、その景観は見事であった。お陰様で平地より1ヶ月早い紅葉を堪能することが出来た。
幸運にも紅葉のピークにぶつかり天候にも恵まれたので、自分なりに得心のいく写真を撮影することができた。またいずれ、徳乃蔵ギャラリーで皆さんに見て頂こうと思っているが、とりあえずHPの写真で心をいやして頂ければ幸いである。