赤く染まる富士

 
 

 
 


朝日に赤く染まる初冠雪 (クリックで拡大)

 
 

16日には上空に寒気が流れ込み富士山頂に降雪。初冠雪は去年よりは3日早いが、平年より16日遅いとのこと。2階の書斎から久しぶりに、山頂付近 が白く輝く雪化粧の富士山の姿を見ることが出来た。やはり富士のお山は雪景色がよく似合う。

翌朝、4時起きして山中湖へ。日の出は6時50分と遅いが、早起きすればご褒美はもらえるものだ。まだ薄暗い中、湖岸沿いに車を走らせると、 夜半からの寒気で湖は一面霧に覆われ、その先に黒ずんだ富士のお姿が浮かんでいる。湖面をよく見ると、霧の中に真っ白なヨットが浮かんでいる(写真@、A)。

カメラマンにとってまたとない光景だ!  こうした風景はカメラのホワイトバランスを変えることによって、うっすらと赤みがかった景色と白いモヤ状の景色の異なった色彩に撮ることが出来る。人間の目には照らす光が変化しても 、白い被写体を白く見るという順応性があるため、色は変わらなく映るが、デジタルカメラではソフトウエアーで色温度を変えることによって 、霧の色合いを変えることが出来るのだ。読者は写真@とA、どちらがお好きだろうか?

しばらくすると、雪化粧した山頂に陽が当たり始め、お山全体が赤く染まり出した。望遠レンズで山頂付近を眺めると、雪の積もり方が薄いため登山道が くっきりと浮かび上がり、そのジグザグ模様をはっきりと見ることが出来た。上段の写真)。

目を湖面に転じると、霧が消え始めモヤの先に見えていた湖岸の紅葉が見事に浮かび上がった。(写真B〜D)。その後、三国峠に向かって車を走らせると峠の中腹辺りに展望台があり、そこからは山中湖全体を見下ろすことが出来る。ススキが揺れ、唐松の林の彼方に青白く光る湖面、さらにその先には美しい初冠雪の富士の姿が浮かび上がる。何度見ても飽きない風景だ (写真E)。

我々はこの美しい湖と富士の姿をいつまで見ることが出来るのだろうか。富士の下から上がってくるマグマを流している先が小笠原諸島の西之島。昨日のニュースを見ると、島の中心部近くに出来た小山からは1分間に5〜6回の頻度で噴煙が上がっており、新島は今もなお拡大し続け、 すでに東京ドームの40倍に達しているようである。

一方、北に流れた出たマグマは木曽の御嶽山の噴火へとつながった。どうやら時は刻々と近づいているようである。気がかりなのは噴火の前に「光の柱」が立つことが出来るかどうかである。事の次第いかんでは、アセンションに向かう人の数が大きく左右されるだけに、気になるところである。

 


 


@

霧の中に1隻の
ヨットが浮かぶ

A

ホワイトバランスを変えて
撮影すると、色彩が一変する


B

霧が薄くなるにつれ、湖岸の
彼方に霊峰富士の姿が見え始めた

 


 


C

コバルトブルーの湖面の
先には、紅葉とうっすらと
雪化粧した富士山浮かぶ

 

D

E

三国峠の中腹まで上がると
山中湖が眼下に一望できる