エゾリンドウの咲く入笠山湿地帯
9月15日、名古屋、大阪講演を終え、一時、時間が取れたので車で40分ほどの長野県・富士見町の入笠山を訪ねた。この時期、山頂付近の湿地帯に咲き誇
るリンドウ見ようと思ったからである。
山頂近くのお店の方にお聞きすると、この夏は気温が低かったためにすべての花の咲くのが遅く、そのため、リンドウ以外の夏の花もまだ咲き残っているという。散策道を歩いていみると、確かに7月上旬
から8月にかけて咲くウツボグサなどの夏草が名残惜しそうに咲いており、驚かされた。ここにも天候不順の証があった。
エゾリンドウは山地の多湿地に生え、茎の上部と葉の間に紫色の花を咲かせる。日本列島の北方に多いことから蝦夷リンドウと呼ばれており、八ヶ岳山麓一帯が南限となっている。白樺林に囲まれた湿地帯に
降りていくと、群生したリンドウがちょうど見ごろで、凛(りん)としたさわやかな雰囲気を漂わせて咲き誇っていた。
ゲンノショウコもアケボノソウ(写真の最下段)もみな1センチ足らずの可憐な花であるが、接眼レンズで覗いてみると、それぞれが特徴的な個性を持った花弁をつけており、自然が作り出す多様性と造形美の素晴らしさに驚かされる。
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彼方に浮かぶは八ヶ岳連峰 |
霧の中の樹林 |
エゾリンドウ @ |