野鳥7態
前回掲載のオオルリを撮ろうと4日間頑張っている最中にやって来たのが、アカゲラ、アオゲラ、ヒヨドリである。アカゲラとアオゲラは同じキツツキの仲間であるが、最近は、アカゲラに比べてアオゲラは滅多に見かけなくなった。大きさはアカゲラが24p、アオゲラは一回り大きく29p。
ヒヨドリはどこでも見かける鳥で、ヒーヨ、ヒーヨとうるさいぐらい鳴いている。地味な灰色系の鳥であるため、あまりカメラを向ける気がしない鳥の代表格である。しかし、藤の花のように、カラフルな花を背景にすると絵になるから不思議である。
体長11センチのミソサザイは日本の野鳥の中で、キクイタダキに次いで2番目に小さい鳥である。スズメの体長が14センチであることを考えると、ミソサザイがかなり小さい鳥であることが分かる。しかし、小さい体に似ず鳴き声は大きく、短い尾羽を立てて大きく口を開けて鳴いている姿はなかなか可愛らしい。
「野鳥の名前」の著者の安部直也氏によると、ミソは溝(ミゾ)から来ており、サザイは小さな鳥という意味であるという。昔は農家の近くの溝に来て鳴いていたことから、「溝で
鳴く小さな鳥」という意味で付けられた名前のようである。
今回の撮影中、幸運にもフクロウの親子を撮ることが出来た。ヒナはあまり高くない枝に止まって全く動かないところを見ると、まだ巣から出て間もなくのようである。近くに親鳥がいるに違いないと、ヒナの周囲を歩いていると、威嚇する鳴き声が聞こえてきた。
ヒナを守るようにヒナより少し高い枝に止まって、じっとこちらの様子を眺めていた。ヒナにあまり近づくと、鋭い爪でで攻撃をかけてくるので非常に危険である。甲高い警戒の鳴き声が聞こえたら、決してそれ以上は近づかないことである。
写真家の星野道夫氏が生前、北極海のコルビル川流域でシロフクロウに襲われ背中に大けがをしたことは有名だが、うっかり目でも狙われたら、失明ものである。幼鳥の成育中は注意が肝要である。