心がなごむ昆虫たちの姿
八ヶ岳山麓に秋の気配が漂ってきた先週、国蝶「オオムラサキ」が孵化する公園で有名な「オオムラサキの里」へ行ってきた。もちろん今の時期はオオムラサキの姿は見れないが、公園内の林や小さな池には今では珍しくなったトンボや虫の姿を見ることが出来る。
訪ねてみると、そこには小さい頃に友達と追いかけたトンボやチョウチョ、それにミズスマシやバッタの姿があった。こうした小動物が今、凄い勢いで絶滅に向かっているのだと思うと、本当に悲しくなってくる。生態系の頂点に立つ人間の愚かさが彼らをこの地上界から抹殺しようとしているのだ。
昔なら、造作なく撮影できたはずの昆虫たちも、その生態をしっかり写真に収めようとすると、丸2日かかってしまった。それだけ数が減り、容易にその姿を探すことが難しくなっている証である。
体長が2〜3センチのホソミ・イトトンボやシオカラトンボの補食の様子や交尾の姿を見ていると、生態系の不思議さに魅入られ、レンズも向けずにじっと見入ってしまう時間が多かった。本当は、私のような老人が見るのではなく、小さな子供たちにその姿を見て欲しいものである。
通称赤トンボと読んでいる朱色のトンボにも色々な種類があることや、シオカラトンボとは別の種だと思っていた黄色みがかった大型のトンボが、実はシオカラトンボのメスであったことに、はじめて気づいた。少しでも知識が広がることは嬉しいことである。
不自然な姿で撮影することが多く、疲れた2日間であったが、無心で舞う昆虫たちを見ていると、無性に心のなごむ2日間でもあった。3回シリーズで掲載するので、童心かえってご覧頂きたい。