白馬の里「鬼無里(きなさ)」を訪ねる
長野と新潟の県境沿いにある鬼無里村(きなさむら)。白馬と戸隠山に挟まれた辺境の山村の山間(やまあい)に、有名な水芭蕉の群生地がある。小淵沢からは中央高速を使って、およそ2時間弱。
5月16日〜17日、仲間と一緒に鬼無里村を訪ねた。夕方4時に出発した我々は6時前に現地に到着、さっそく「道の駅」の温泉に入ったあと、こぎれいな民宿で山菜料理と特注の日本酒に舌鼓を打つ。アルコール度が20度の特注酒はトロッとした感じで、日本酒とは思えないほどコクがあり、絶妙の味である。
翌朝、5時前に起き宿の周りを散策。田植えを終えたばかりの田圃(たんぼ)に、残雪に輝く白馬が映り込む雄大な景観を堪能するところとなった。
高さがあまり変わらない八ヶ岳の雪はすっかり消えてしまったのに、なぜか白馬には残雪が残り、朝日に輝く峰々は、たなびく朝霧と相まって、その美しさを一段と幻想的に見せていた。
車で40分ほど走った山間に、広大な水芭蕉の群生地が散在し、周りを残雪が取り囲んでいる。日本一広い水芭蕉の群生地は全ての群生地を見てまわるには、2〜3時間はかかりそうだ。ただ、我々が訪れた5月半ばには、まだ高台にある群生地は雪に覆われクローズされたままであった。
帰りに立ち寄った安曇村には、豊富で綺麗な川が流れる日本一のわさびの産地「大王」がある。掲載した三基の水車が回る写真(6枚目)は、カレンダーにも使われる「大王」のスナップである。
白馬の麓に咲く可憐な花や珍しい山草は旅の疲れを癒してくれる。読者にも一服の清涼剤になることであろう、ご覧頂きたい。