犀川(さいかわ)の白鳥
2月の中旬、長野県・安曇野(あずみの)を流れる犀川(さいかわ)を訪ねた。温暖化とは裏腹に、厳しい寒さが続くアルプス山麓一帯
には、降り積もった雪が解けずに、白銀の世界が広がっている。
訪ねたのは、シベリアから飛来して来るコハクチョウを見るためだ。2年前の夏に長野県南部を襲った豪雨で、この辺りの土手が決壊し、ハクチョウが羽を休める環境が
すっかり破壊されてしまった。
しかし、ハクチョウの越冬地を守るために、国と県が1年かけて、河川と土手の修復に取り組み、今年からまた、再びハクチョウたち
の姿を見ることが出来るようになった。
飛来地は、中央高速を走って松本の一つ先、豊科インターで降りて6〜7分走った河原の一角にある。11月の下旬に
シベリアからやってきたハクチョウの一部は、この周辺で越冬した後、3月の初旬に帰っていくのだ。
白い羽根と黄色いクチバシ、愛くるしい目。白銀に輝く北アルプスや常念岳を背景に飛ぶコハクチョウの姿は、優雅で美しい。
それに独特の鳴き声が心を和ませてくれる。私も4年ぶりにその鳴き声を聴くことが出来た。