春を喜ぶ小鳥たち
日差しが急にやさしくなった八ヶ岳南麓には、桜、桃、杏子(あんず)の花が次々と咲き誇り、それらの蜜を吸いに小鳥たちがやってくる。ピーヨピーヨとうるさく鳴く「ヒヨドリ」も桃の花の小枝で蜜を求めている最中だけは静かだ。
あっというまに連休も過ぎ、風薫る五月晴れの空は眩しいほどに晴れ渡り、小鳥たちを追って動き回っていると汗ばむほどである。林の中に入ると、ただ聞こえるのは小鳥たちのさえずりと風の音。
いつの間にか芽吹き始めたに木々に、色鮮やかな「キビタキ」がやってくる。新緑の葉にお腹の黄色が映えてハッと息をのむほどだ。耳を澄ますと、様々な小鳥たちのさえずりが聞こえる。求愛の始まるこの季節、小鳥たちの鳴き声はことのほか楽しげだ。
渓谷沿いの林の中、「オオルリ」の声がひときわ美しく響き渡る。青い羽根の姿は美しく、鳴き声もまた最高だ。ビールル、ギィーギィーいつまでも泣きやまず、自分の声にまるでよっているようだ。
参考文献 : 『日本の野鳥』 (竹下信雄著 小学館刊)
『日本の野鳥』 (山と渓谷社刊)