春を喜ぶ小鳥たち

日差しが急にやさしくなった八ヶ岳南麓には、桜、桃、杏子(あんず)の花が次々と咲き誇り、それらの蜜を吸いに小鳥たちがやってくる。ピーヨピーヨとうるさく鳴く「ヒヨドリ」も桃の花の小枝で蜜を求めている最中だけは静かだ。

あっというまに連休も過ぎ、風薫る五月晴れの空は眩しいほどに晴れ渡り、小鳥たちを追って動き回っていると汗ばむほどである。林の中に入ると、ただ聞こえるのは小鳥たちのさえずりと風の音。

いつの間にか芽吹き始めたに木々に、色鮮やかな「キビタキ」がやってくる。新緑の葉にお腹の黄色が映えてハッと息をのむほどだ。耳を澄ますと、様々な小鳥たちのさえずりが聞こえる。求愛の始まるこの季節、小鳥たちの鳴き声はことのほか楽しげだ。

渓谷沿いの林の中、「オオルリ」の声がひときわ美しく響き渡る。青い羽根の姿は美しく、鳴き声もまた最高だ。ビールル、ギィーギィーいつまでも泣きやまず、自分の声にまるでよっているようだ。

 

                        参考文献 : 『日本の野鳥』 (竹下信雄著 小学館刊)

                                 『日本の野鳥』 (山と渓谷社刊)

 

 

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ヒヨドリ

 

 

コサメビタキ
(ヒタキ科)

低山帯の落葉広葉樹林にすむ褐色の地味な鳥。よく見ると、目大きくて以外に愛らしい。

全長13センチ

 

イカル

エナガ

綿を丸めたような小さな体に、長い尾をつけたような愛らしい小鳥。

頭頂が白い毛で覆われているのが特徴的である。

シジュウカラやコガラによく似ていて見間違えることがある。

全長14センチ

 

 

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アオゲラ
(キツツキ科)

青ゲラと呼ぶが、羽根の色は緑色。小鳥でアオ(青)という名のつく種は、たいてい緑色をしている。

お気に入りの桜の木に垂直にとまり、頑丈なクチバシでつついて穴を開け始めると、あっという間に産卵用の巣穴ができてしまう。

全長29センチ

 

 

アカゲラ
(キツツキ科)

 

 

全長23センチ

キビタキの雄
(ヒタキ科)

背中の黒と腹部の黄色のコントラストがハッとするほど印象的だ。

全長13センチ

 

オオルリの雄
(ヒタキ科)

渓谷近くの林の中にすんでおり、比較的高い木の梢(こずえ)で美しい声でさえずる。

全長17センチ