早い巣立ち

6月17日の午後、親鳥の様子が変だ。巣の周りを甲高い声をあげて飛び始めた。エサをくわえて巣とは別の場所に飛んでいき羽ばたいている。よく見ると、一羽のヒナが巣から出て生け垣から顔を出していた。5日前にはまだ目が開いてなかったヒナがもう巣立だ。

望遠鏡で巣の中を覗くと、2羽しか残っていない。他のヒナもみな巣から出て生け垣の中を動いているようだ。

しばらくすると、別のヒナが生け垣から近くの草むらの中に飛び出した。しかしよく見ると、まだ飛ぶ力が弱いらしく、草むらの中でじっとしている。 生け垣に戻ることができないようだ。このままでは野良猫に襲われたら一発だ。

見ていると、親鳥が集中的に餌を運んでいる。成長を早めて一時も早く安全な木の上に飛び上がらせようと しているのだろう。生け垣の中の5匹にも餌を運ばねばならない。親鳥は大変だ。やがて夜のとばりがおり始めた。心細げなヒナの鳴き声に後ろ髪を引かれながら家に入った。

気になって、二階の窓を開けておくと、親鳥の甲高い声とエサをせがむヒナの鳴き声が夜半まで続いていた。暗闇の中でもまだ親が餌を運んでいるのだろうか。

 

 

 

エサをくわえて
巣に入る雄

 

巣から飛び立つ
雄鳥

 

巣の周囲に近づいた
猫を電線の上から
大きな声で威嚇(いかく)する「雄」

 

 

雄(左)からエサを
もらう雌(右)


求愛給餌とは別である。
 



雄は捕ってきたエサを
みずから給餌する場合も
あるが、このように、時々、雌が受け取って代わりに
給餌することもある。

 

給餌する雌

ヒナが1週間前から
急激に成長している
のがわかる。

給餌する雄

 

 

 

 

   

給餌に専念するためか、
この時期の親鳥はやせている