赤い鳥「アカショウビン」を撮る

東南アジアや中国から5月頃に渡来し、6月から7月にかけて繁殖する夏鳥に、「アカショウビン」と呼ばれる赤い鳥がいる。全身が赤い毛で覆われ、クチバシも足も赤く、キョロロロローと尻下がりの震え声で鳴くその姿は、南国の雰囲気を感じさせる。

南西諸島ではよく見かけるようだが、本土ではめったにその姿を見ることができない。この珍しい野鳥が新潟で営巣しているという情報が入った。夜半、写真家の桑島先生と写真仲間の進藤さんの三人で新潟を目指して出発。

かって、私の小さい頃には、山梨から新潟までは丸1日の行程であったが、今は高速道路網の発達で、わずか4時間の旅であった。現地について車の中で1時間ほど仮眠をとる。うっすらと明るくなり出した4時過ぎ、車窓を開けると、「キョロロロロー」と餌を求めて飛び立つアカショウビンの声が聞こえてきた。

車から降り、明るさを増した周囲を見渡すと、そこは新潟にしては結構高い山の中で、木立の中の渓谷には木々の緑を映して青緑色の河が流れている。水辺の森を好むアカショウビンにとって、格好の生息地に違いない。

撮影を始めてしばらくすると、雛の待つ巣に小魚をくわえた親鳥が戻ってきた。朱色の長くて大きなクチバシがとても印象的だ。まだ雛(ひな)は巣から顔を出すまでに成長していないようだが、魚やカエル、沢蟹(さわがに)や小さな蛇、親鳥がくわえてくる餌はさまざまで、それらを次々と呑み込んでいくその食欲振りを見ていると、4,5日もすると巣立っていくことになりそうだ。

およそ8時間の撮影を終えて、昼過ぎ、後ろ髪引かれる思いで営巣地を後にした。8枚目の巣から飛び立つ4000分の1秒の「幻想的な世界」をご覧頂きたい。

                
                                             参考文献 : 『日本の野鳥』 (竹下信雄著 小学館刊)

                                       『日本の野鳥』 (山と渓谷社刊)

 

 

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強風に揺れるヨシの木に
とまる「オオヨシキリ」
(ヒタキ科)

アシやゴマの木が茂る
アシ原に棲み、口が裂けそうなほどクチバシを開けて、大きな声でギョギョシ、ギョギョシと鳴く

アシ原の減少と共にその数も減ってきている

 

ゴマの穂にとまる
オオヨシキリ

黄色いクチバシを大きく開
けると口の中が赤くみえる。それだけでも大きな声が出そうな気がしてくる

食べ物は主に昆虫やクモなどの小動物

全長19センチ

ホホジロ @
(ホホジロ科)

顔が白と黒のまだらで、
名前と違って頬は黒色
をしている

全長17センチ

 

 

ホホジロ A

雄雌ほぼ同色で、テリトリーを守るため盛んにさえずる。

鳴き声は「源平ツツジ白ツツジ」と聞こえ、昔から愛好されている。

 

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アカショウビン@
(カワセミ科)

南アジアから飛んでくる夏鳥

朽ちた木にキツツキのようにとまって穴をあけ、営巣する

 

 

雛(ひな)に餌をやる

アカショウビンA

 

 

アカショウビンB

雄雌同色で

全長27センチ

 

巣を飛び立つ

アカショウビン

撮影条件 : 絞り5.6 
シャッタースピード1/4000
ISO感度800