「沖縄美ら海水族館」

5月13日の沖縄講演会のあと、会を主催して頂いているメンバーの方に案内して頂いて、海洋博公園内にある「沖縄美ら海水族館」(おきなわちゅらうみすいぞくかん)と「熱帯ドリームセンター」を訪ねた。

5月14日と言えば、沖縄では既に海開きが終わっていて、蒸し暑く半袖で過ごす次期である。ところが、ここ沖縄も異常気象に見舞われて異常低温の日が 続いており、当日も22〜23℃。本土から訪ねた私にとっては快適な気温であったが、現地の人には肌寒い感じのようで、長袖の厚手のシャツを着ている方が多かった。

テレビでは福岡や東京で真夏日だというのに、沖縄がそれより気温が低いというのはやはり異常である。それに今年は雨や曇りの日が多いようで、講演会で快晴の天気に出会ったことがない。憧れのエメラルド・グリーンの海 は7月の講演日までお預けのようだ。
 

          

 


沖縄で海洋博覧会が開かれたのが1975年、その跡地に造られたのが、「沖縄美ら海水族館」と「熱帯ドリームセンター」、それに「海洋文化館」である。水族館は、 生態系別にいくつかの水槽に分かれているが、なんと言っても驚かされるのは、世界最大級を誇る「黒潮の海」と呼ばれる巨大水槽だ。

それは、総水量が7500トンもあり、正面部分に使用されているパノラマウインドウは、横幅22m、高さ8m、厚さ60センチ。この世界一大きなアクリルパネル越しに眺める全長10〜12メートルの「ジンベイザメ」と「オニイトマキエイ」の勇姿は圧巻だ。

「熱帯魚の海」水槽では、沖縄近海に棲む色とりどりの熱帯魚が泳いでいる。また、「サンゴの部屋」と呼ばれる個水漕では、珊瑚の海に生きる様々な生き物、「深層の海」 水槽では、水深200m〜1000mに棲む深層海の珍しい魚たちの姿も見ることが出来る。

600種以上にも及ぶ様々な水生生物を眺めながら、ゆっくりと会場を一週すると、まるで、沖縄の海の浅瀬から深海までを海中散歩しているような気分になってくる。 開館以来多くの人々が訪れ、多い日には1万人以上の入館者でにぎわうこともあるらしいが、その人気のわけが分るようだ。

水族館を出た後、降りしきる雨の中を遊覧バスで「熱帯ドリームセンター」に向かった。

                             続く
 

 

                                               


オニイトマキエイ



横幅 5〜6m
体重1.2〜1.4トン

エイ類の最大種でエイの王様と呼ばれている。

記録に残っている最も大きなものは、幅9.1m

通称マンタと呼ばれ、ダイバーにも人気がある。

背中側は黒から灰色がかった青色で、それとは対照的に真っ白なお腹を持っている。(下の写真参照)

通常、沖縄以南の全世界の温・熱帯海域に生息する。飼育や餌付けに成功したのは「沖縄美ら海水族館」が世界で初めてだそうだ。

大きな体をしているが、主に小さなプランクトンを食べるおとなしいエイである。
 

(Copyright Carl Roessler)
 

 
タテジマキンチャクダイ 


体長40p 

見た目は横縞であるが 、魚の場合は頭から尾に向けてが縦なのでタテジマと呼ばれる。 

美しいので観賞魚として人気がある 。

相模湾以南、中・西太平洋、インド洋、紅海に分布する。

沿岸のサンゴ礁域、岩礁域のドロップオフや潮通しの良いリーフ外縁に生息する。

 


ツユベラの幼魚


成魚の全長40p  

中・西部太平洋、インド洋の浅海の珊瑚礁域に生息する。

珊瑚礁周辺のガレ場や岩礁域で見かける。

身の危険を感じたときや夜間には砂に潜り身を隠す。

赤と白のカラフルな幼魚はダイバーの人気が高い。

成長すると色や斑紋が変わり、成魚は幼魚と全然異なる(写真下)。
 

ツユベラの成魚
(リンク先@)


ヨスジフエダイ 


全長25p 

浅いサンゴ群落近くの岩礁域に生息している。

黄色の体色に水色の帯が4本あるのが特徴。

6本ある種はロクセンフエダイという。 (写真下)
 

 

 

 

 

ロクセンフエダイ
(リンク先A)

 

リンク先 @ http://plaza.harmonix.ne.jp/~m_hirota/SeaFishes/tuyubera.html

リンク先 A http://www.pluto.dti.ne.jp/~sumiesan/s0701-1.html



 

オオメジロザメ


キリンミノ 

体長18p 

背ビレも胸ビレもヒラヒラしていて、まるで、派手な舞台衣装を着ているようだ。

磯に多く生息しており、水深1〜2m前後の場所で見られることが多いが、稀に潮溜まりにいることもある。

動きは俊敏ではなく、ゆったりとしており、近寄ってもあまり逃げようとしないが、ヒレのトゲに毒があり大変危険である 。


メガネモチノウオ

体長2m 

若魚の目の後ろの黒い模様がメガネをかけているように見えることからこの和名がつけられた。

成魚になると頭のこぶが目立つようになり、それがナポレオン皇帝に似ていることから
「ナポレオンフィッシュ」とも呼ばれる。


ジンベイザメ
 

体長10〜12m 
体重12〜15トン

魚類の中では最大種。世界の熱帯から亜熱帯の表層に生息する。

模様が夏着の甚平に似ていることからジンベエと名付けられたとされている。

大きな身体をしているが動物プランクトン等の小さな餌しか食べない極めて穏和なサメで、ダイバーが近づいても逃げようとしない。

サンゴの産卵時期には水面に漂う卵を食べたり、時には立ち泳ぎをしながら水面近くの餌を食べることがある。


 


オオメジロザメ

世界の熱帯域に分布。最大3,4mに達する。全体にずんぐりして、くちさきも丸く、とがってはいない。

人にとって最も危険なサメの一種で、水槽内でも他の魚を襲って食べるのはこの種が最も多い。
 

(「沖縄美ら海水族館」
サイトから転載)

 

 



 


イロブダイの幼魚

 体長7p 


白地に橙色の帯がある美しい色彩は幼魚のうちだけで、成長すると全く別の魚のように変化する。
(写真下)



(沖縄の魚屋さんに並んだ成魚)

 


ヒレナガハギ

体長30cm

相模湾以南、インド・
西太平洋に分布。
サンゴ礁域に生息する。

頭部と体側には黒褐色
及び白色の横帯が多数
走っている。

サンゴ礁縁の斜面や礁湖
などの比較的浅所で
よく見られる。

 

 


原生の鉄砲ユリ
(Lilium longiflorum)

@

別名:リュウキュウユリ
(琉球百合)

 


原生の鉄砲ユリ
(Lilium longiflorum)

A

海洋博公園に向かう途中鉄砲ユリが群青していた。

かっては、道路脇の至る所で見られたようだが、今はまれにしか見ることが出来ない。
 

 


アンスリウム
(Anthurium cv.)

 


イジュ(伊集)@

沖縄と奄美諸島に固有の種。

沖縄では本島北部に自生し、5月の連休前後から梅雨明
け頃まで、3センチほどのかわいい花を咲かせる。

 


イジュ(伊集)A

「伊集の木の花や,あんきょらさ
咲きゆい わぬも伊集やとて、
真白咲かな」

(意)伊集の花はあんなにきれいに咲い
てとても見事である
私もあの伊集の花のように真白に咲き
たいものだ

沖縄の辺野喜節(べのきぶし)
に歌われているように、イジュ
の花はやんばるの人々の心
に残る花のようだ。

 


ヒギリ
(Clerodendrum japonocum)