野鳥を追って
 

振り返ってみると、殊の他寒い日が続いた今年の冬は、八ヶ岳の山中で雪景色と野鳥を追う毎日であった。

3月に入ったある日、冬の吐竜の滝を撮りに赤松林の中を車を走らせていると、小さな湖が見えたので、車を降りて湖畔を散策していると、残雪をかき分けて咲く座禅草が目にとまった。厳冬の八ヶ岳山麓にも、すぐそこまで春が近づいているようだ。

動きの激しい「アカゲラ」を追いかけて数日、ホームページ掲載に間にあってホッとしたのは、3月20日の昼前、皮肉にも対イラク戦の開戦の時刻であった。

次回からは、春の野山を飛び交う野鳥の姿を掲載することにする。

                  参考文献 : 『日本の野鳥』 (竹下信雄著 小学館刊)

                                『日本の野鳥』 (山と渓谷社刊)

 

 

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野辺山から眺めた八ヶ岳

 

野辺山獅子岩の霧氷


座禅草(ざぜんそう)

僧が座禅を組んでいるように見えることからつけられた名前。

暗紫褐色の仏焔苞(ぶつえんほう)の中に、黄色の花をつけた独特の姿をしている。

春の足音と共に咲くため、冬に雪が多かった時には、雪をかき分けて咲く姿を見ることが出来る。

吐竜(どりゅう)の滝

寒さが続いた3月上旬の早朝、滝の上部には氷柱(つらら)が張り出していた。

 

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コガラ(シジュウカラ科)

この仲間の中では最も標高の高いところにいる小鳥。シジュウカラ(写真下)によく似ているが、長いネクタイを締めたような黒帯が腹部にない。

体長12センチ

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ゴジュウカラ
(ゴジュウカラ科)

上面が青灰色で下面が白。頑丈な足で木の幹をはい回り、長めのクチバシで硬い木の実をつついたり、木の皮を剥がして中の虫を食べる。

高い木の上にとまるため、撮影が難しい。写真は別荘地の餌箱に下りてきたところを撮影したもの。

体長15センチ

アトリ(アトリ科)

 

かっては大空を埋め尽くして飛ぶ光景が見られたという。

今でも、林の中で出会う群は数十羽のことが多い。

体長16センチ

 

 

アカゲラ(キツツキ科)

赤、白、黒の配色が美しいキツツキ。

頑丈な足と爪と硬い尾羽で体重を支え、幹に垂直に止まることが出来る。

木にとまった後、すぐに上へ上へと上がってしまい、動きが激しいため、鮮明な写真を撮るのは至難の技だ。

体長23センチ