小淵沢町に現れた「ヤツガシラ」

この鳥を目にすることができたバードウオッチャーや鳥の写真家は少ない。

頭の先に8つの冠羽があることからヤツガシラ(八頭)と呼ばれるこの野鳥は、旅鳥として日本にも渡来することがあるが、それは希のことであるため、めったに見ることが出来ない珍しい鳥とされている。

「ヤツガシラ」というと一般の人が思い浮かべるのは、ヤマイモに似た芋(イモ)の名前である。そのため、次のようなおもしろいエピソードが残されている。

それは、一昔前、皇居の庭にこの鳥が降り立ったときのことである。お庭の先にいるヤツガシラを見つけられた昭和天皇から双眼鏡を持ってくるよう命じられた侍従が、何をご覧になるのですかとお聞きすると、陛下は「ヤツガシラだよ」と答えられた。

そこで侍従は、お芋(イモ)を見るのになぜ双眼鏡が必要ですかとお聞きしたところ、陛下は笑いながら芋ではなくて鳥のヤツガシラを見るんだよと答えられたいう逸話である。。

そんな珍しい鳥が郷里に現れたことを写真仲間から連絡があったのは4月の中旬、東京から帰郷の途中のことであった。高速道路を最高速度(?)で飛ばしてさっそく駆けつけたところ、ある住宅の前の庭の先で、芝の中の虫をついばむヤツガシラを目にすることが出来た。

その姿は、頭から胸にかけて黄褐色で、冠羽の先は黒く、翼、背、尾には白と黒の縞模様があり、なかなか綺麗な鳥であった。採餌した後、近くの高い木にとまって、「ポッポッポッ、ポッポッポッ」と、低いがよく通る声で鳴く。多分、メスを呼んでいるのだろう。その鳴き声はハトやツツドリ、フクロウの泣き方に似ている。

その後2日ほど現れたが、3日目には場所を移してしまい二度と見ることが出来なかった。この鳥の出現が知られたりすると、
1日に何百人もの野鳥写真家やバードウオッチャーが、全国から駆けつけてくるというから、町にひと騒動起きるところであった。

冠羽を広げたヤツガシラを撮りたかったが、採餌する最中には一度もその姿に見ることが出来なかった。一度、近隣の住宅のベランダに飛び移った際、何かに驚いたのか見事な冠羽を広げる場面に遭遇した。4枚目の写真がそれである。

 

 

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頭を前後に振って地上を歩
きながら、細長いいクチバシ
で土の中の虫をついばむ。

 

ついばんだ虫を一旦空中に放り挙げ、口の中に入れる。

クチバシの中に見える丸い玉状の虫はダンゴムシである。

歪曲した細長いクチバシと
大きく広がる冠羽が特徴。

体長26センチ


住宅のベランダに移動し、
冠羽を広げる。

冠羽は普段は寝かせているが、驚いたときなどに立てる
ことがあるようだ。

 

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シロバナエンレイソウ

ムラサキケンマ

 

山吹

 

スミレの一種