驚天動地のオーパーツ
今回の探索の最大の目玉であるセティー1世葬祭殿の「オーパーツ」を見ようと、アビドスへと飛んだ。
ギザと並ぶ古代エジプトの最大の観光地の一つであるルクソールまで、カイロから飛行機で1時間。古代都市遺跡アビドスはそこから車でおよそ200キロほど北にある。
アビドスはテロ事件以前から外務省の訪問禁止区域に入っており、ルクソールとの往復には警護がつくことになっている。特に今回はテロの危険が大きいと言うことで、さらに厳重な警護がつくことになった。
アビドスには有名なラムセス二世の父親であるセティー1世(紀元前1300年頃)の葬祭殿が建っているが、その建物の一角から、数年前に近代兵器を描いた思われる驚くべき「オーパーツ」が発見されている。
それらは先史文明の存在と、その文明が現代文明に匹敵するほどの水準にあったことを示す、決定的な証拠となるものである。しかし、従来の歴史観から一歩も外へ踏み出せないエジプト学者には、何故そのようなものが葬祭殿に遺されているのか、説明することができずにいる。
これらの不思議なレリーフが発見され世に出たきっかけは、今から五年ほど前、葬祭殿を見学していたブルース・ローレスという在野の研究家の目に留まったことであった。後日、そのときの写真がインターネットとアメリカのFOXテレビを通じて紹介され、世界中の考古学ファンから大反響を呼ぶところとなった。
これらの象形文字が描かれた梁(はり)は、地上から7〜8メートルの高さにあるため、薄明かりの部屋ではその気になって眺めないと見過ごしてしまう。しかし、葬祭殿の研究者たちは、すべての象形文字を確認しているはずであるから、これらの奇妙な文字にも目を通していることは間違いない。
なのになぜか、学者からは「不思議な絵文字」の存在について、正式な説明が一切なされずにいる。