エジプト考古学博物館B

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ツタンカーメンの秘宝

1922年、イギリスの考古学者ハワード・カーター卿によって、ツタンカーメン王の墓が発見された。それは、それまでに例のない略奪にあっていない完全な墓で、20世紀最大の発見として、世界中に興奮の渦を巻き起こした

墓の中からは、2500点にのぼる遺品が見つかったが、その多くは金、象牙、銀、アラバスター、木で作られていた。遺体は石棺の中に何重もの内棺に包まれていたが、そこに使われていた純金は悠に110キログラムを超していたという。

しかし、金の価値よりも一層驚かされたのは、荘厳な魅力と見事な芸術品の素晴らしさであった。

今日それはカイロのエジプト考古学博物館の特別室に展示されているが、世界中からエジプトを訪れる数万の観光客が秘宝を一目見ようと、毎日、列をなして並んでいる。

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黄金のマスク(横像:正面像)

ツタンカーメンの死の間際の肖像をかたどったと思われる黄金マスクは、王のミイラの頭部を覆っていた。王の象徴である蛇と禿鷲(はげわし)の紋章のついた、メネスと呼ばれる頭巾(ずきん)は、鉛ガラスを流し込んだ黄金製で、目の部分にも象眼が施されている。

高さ54p、幅39.3p

 

museum3-1.JPG (35201 バイト)

museum3-14.jpg (93621 バイト)

貴石を象眼した黄金の腕輪

3つの大きなアピスラズリ製のスカラベ(フンコロガシ)が、聖なる蛇にはさまれて並んでいる。

museum3-2.JPG (122707 バイト)

胸飾り : プタハ神とセクメト女神に囲まれたツタンカーメン

museum3-3.JPG (127830 バイト)

カノピス容器(死者の内蔵入れ)

王の内臓(肺、胃、肝臓、腸)を入れた、アラバスター(石化石滑石)製のカノピス容器

museum3-4.JPG (23828 バイト)

黄金の厨子(二枚扉の箱)

厨子(ちゅうし)と呼ばれる二枚扉の黄金の箱の中には、王の内臓を入れた上記のカノピス容器がおさめられていた。

厨子の4つの側面には、それぞれひとりずつ女神が立っている。ネフティスは死者の「肺」を守り、ネイトは「胃」を、イシスは「肝臓」を、セルケトは「腸」を守っている。

心臓だけは、死者の体内に残さなければならないとされていたため、取り出されていなかった。

この厨子の高さは2m、幅は125cm、奥行きは153cm。

museum3-5.JPG (37043 バイト)

アヌビス厨子(ちゅうし)

金箔が張られ、目は黒曜石、爪は銀で作られたアヌビス神が座した厨子の中には、宝石や護符が納められていた。

アヌビスは、古代エジプトで神聖視されたjジャッカル(ヤマイヌの一種)である。

 

museum3-6.JPG (48227 バイト)

ツタンカーメンの木製像

museum3-7.JPG (44497 バイト)

チーターの形をした葬儀用寝台

彫刻と金メッキを施した大型の葬儀用寝台。チーターをかたどったこのベッドは、しばしば間違って「ライオン・ベッド」と呼ばれることがある。 

(長さ181p、幅91p)

 

museum3-8.JPG (83183 バイト)


香油壺

金と象牙で装飾されたアラバスター製の香油壺。二人のナイルの神が真っ直ぐに立って、蔓(つる)になった枝を支えている。

 

museum3-9.JPG (50216 バイト)


黄金の玉座

ツタンカーメンの黄金の玉座で、宗教儀式以外の時に使われたものであるとされている。

肘掛けの部分は王冠をつけた翼のある蛇の形をしており、その広げた翼が、王の名を保護するかのように覆っている。

前部の2本の足の上部には、みごとなライオンの頭が取りつけられている。 玉座の高さは104p、幅53p、奥行き64.5pである。

 

museum3-10.JPG (36985 バイト)

玉座の背もたれに描かれたツタンカーメンとその妃

玉座の背もたれには、王宮の部屋でくつろぐ王と王妃の姿が描かれている。

衣服の部分は銀で、背景は金の板でつくられ、人物の各部分には、赤色鉛ガラスと青ガラスが使われ、アラバスターの象眼がはめられている。

背部53p平方。

museum3-11.JPG (55272 バイト)

ツタンカーメンの等身大鍍金木造

ツタンカーメンの等身大の木像。黒いニスが塗られ、部分的に金箔が張られている。同様の像がもう一つあって、1体の像は、王の玄室を守るかのよに、入口の両側に立っていたという。

高さ173p。

museum3-12.JPG (55043 バイト)

黄金の小像

右端は、下エジプトの王のしるしの赤冠をつけ、平底のボートの中に立って銛(もり)を投げているツタンカーメンの像である。

一方、左端の像は、上エジプト王のしるしの白冠をつけ、黒くラッカーを塗った豹の上に立つツタンカーメン王。いずれも鍍金(メッキ)した木像で、高さ75pほどの小さいものである。


museum3-15.JPG (88618 バイト)