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ウルバンバ川を下る
キテニ(KITENI)からおよそ1時間ほどでイボチョテ(IVOCHOTE)に着く。ここは陸路で来られる最北の町だ。ここから先に住む人々は全てウルバンバ川を船で行き来するしか手段はない。 キャンプに必要な品々を積み込んで、再び船はウルバンバ川を下る。次第に川幅が広くなり、気温が上がり始める。船のスピードが上がるにつれて強まる風が火照る(ほてる)肌に心地よい。川幅が狭いところに来ると、川波が荒くなり、水しぶきが降りかかり、船内から悲鳴が上がる。 およそ4時間ほどすると、サニリアート(SANIRIATO)に着く。ここは、今回完成した学校のあるキタパライ(KITAPARRAI)よりは船で1時間ほど手前にある。上陸は、この村にある老朽化した学校の再建の依頼を受けているからだ。 岸の近くにある学校へ行くと、ジャングルを切り開いた校庭の奥に3クラスほどの校舎が建っている。我々の訪問を知らされていた先生や村の代表者らしき人々が待っておられ、建物の中を案内してくれる。 外見より、中の老朽化はひどく、新しい校舎を求める気持ちが分かる。再建を引き受けるかどうかについては、キタパライからの帰りに返事をすることにして、学校を後にする。帰り際先生と写真を撮ろうとするとあっという間に村に人々が寄ってきて、集合写真になってしまった。 村の人々がうち揃って河岸まで送りにきてくれる。彼らの明るい笑顔と、船に乗り込む時の先生の訴えるような眼差しに心を打たれる。彼女らの期待に答てやらねばと心に思う。 サニリアートを離れて1時間。キタパライへの村に近ずくにつれ、岸辺の村の人々が手を振って挨拶をしている。我々の訪問を事前に知らされ、歓迎してくれているのだと、セサルが言う。 キテニからおよそおよそ6時間、ようやくキタパライの村に着く。川岸に立って薄暮の空を眺めると、夕日がジャングルの奥に沈みかけようとしている。岸辺には何やら旗を持った子供達が駆けつけてくる。よく見ると、旗には我々一行を歓迎する文字が書かれているようだ。 クスコから丸三日、ようやくキタパライに着いた。
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