美しい山容を見せる利尻富士を抱いた利尻島と、色鮮やかな高山植物に彩られた礼文島。 稚内からおよそ60キロ、日本最北端に位置するこの2つの離島には、豊かな自然と新鮮な海の幸、そし て島に暮らす人々ならではの優しさが溢れている。
そんな二つの島に向かって、早朝6時20分発の第一便フェリーで出発。今回は礼文島への直行便であるが、利尻島経由のフェリーも運行されている。出港しておよそ1時間、船内で旅の記録をパソコンに打っている内にしだいに利尻島が近づいてきた。
デッキに出てみると、目の前にあの利尻富士が浮かんでいる。フェリーが立てる白波の先に浮かぶ利尻富士はさすがに素晴らしい。残念なことにあいにくの空模様で上空は一面雲、海は黒ずみ昨日の天売島から眺めた紺碧の海に浮かぶ姿とは異なるが、流れる雲の合間から見えるその姿はまるで墨絵のようで美しい。礼文島はさらにそこから30分ほどの先である。
それにしても寒い。甲板に立って眺めていると、長袖のシャツでは寒くて仕方ない。周りを見回すと皆うすいセーターやコートを着ている。客室に入って暖をとる。温かい飲み物を探したが残念ながら用意されていなかった。どうやらこの夏の北海道北部地方は例年になく気温が低いようである。本島が35度を超す猛暑が続いているというのに、こちらはまさに別天地である。
やがて礼文島の香深港(かふかこう)に到着。礼文島とはアイヌ語 の「レブン・シリ」からきており、その意味は「沖に浮かぶ島」である。隣の利尻島は1721mの利尻山とその裾野が大半を占める山の島であるが、礼文島は平らな台地状の島で、島の中にある礼文岳も490mの高さしかない。
今回訪れた礼文島の凄さは、北端「スコトン岬」が北緯45度という宗谷岬と変わらない高緯度にあるため、本州などでは標高が2000mを超さないと見られないような高山植物群が、島のあちらこちらで見られるという点である。 礼文島へ渡った一番の楽しみは、これらの草花を見ることである。
次回は撮影した日本最北端の島に咲く可憐な草花を掲載する予定 なので、お楽しみに。
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岬の岩場にはたくさん |
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稲穂岬から北の |
稲穂岬から南の |
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断崖絶壁のゴロタ岬 |
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エゾノヨロイグサ |
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香深港南岸の防波堤 |
東海岸から利尻 |