高度な外科手術!
次々と見せて頂く恐竜図に驚く我々を、エルナンデスは次の部屋へと案内した。部屋が内部でつながっていないために、一旦外に出て別の部屋へと案内された。中生代の恐竜の時代から現実の世界へ戻った我々は、再び非現実的な世界へと引き込まれることとなった。
部屋に入るなり、彼女がまっ先に案内してくれたのは入り口近くの床に置かれた、長さ1メートル、高さと横幅が70〜80センチほどの、2トン近くありそうな大きな安山岩の前だった。そこには、入り組んだ線で人間の体らしきものが描かれていた。
彼女の説明が始まった。
「ここには心臓摘出手術と思われる絵が描かれています」。そういって指し示す石をかがみ込んでよく見ると、横たわった一人の女性の体を、左側に位置する医師が大きなメスで切り開き、右側の医師が心臓を摘出している。
驚くのは、取り出された心臓の姿がみごとに描かれていることだ。大動脈の一本一本が精緻に描かれている。
患者の胎内には何か液体らしきものが注入されている。もしもこれが、心臓摘出手術だとしたら、胎内に送られているのは血液であるはずだ。そう思ってと思って隣の石を見ると、なんと、男性の右腕に刺された針につながった一本の管が、女性の体に向かって延びているではないか。
どうやらこれは二つの石を使って、心臓摘出手術と輸血の様子を描いたもののようだ。
さらに近くを見渡すと、1メートルほどの縦長の石が目についた。その側面には、巨大彗星を天体望遠鏡で観察している二人の人物の姿が描かれている。その上部には宇宙を表していると思われる図が描かれ、幾つかの島宇宙や別の彗星などが描かれている。
さらに、大陸を描いたと思われる石が二個並んで置かれている。それぞれの石に描かれた大陸の形が異なっているところを見ると、当時は八つの大陸が存在していたようだ。
不思議なのは陸の面積が海の面積に比べると遙かに広いということだ。現在の陸と海の割合の1:4と正反対になっている。大洪水によって海面上昇が起きる前の姿が描かれているのかもしれない。
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「不思議な絵」の謎解きは、拙著『恐竜と共に滅びた文明』で詳述しています。ご一読下さい。