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カバー(kabah)の遺跡(A・C900−A・C1200年)宿泊地、ユカタン半島の北の端のメリダを出発して、ウシュマル遺跡に向かう途中、カバーの遺跡に立ち寄る。 カバー遺跡はウシュマルの東南18キロメートルほどのところにあり、ウシュマルの姉妹都市として栄えた街であった。比較的小規模な遺跡であるが、その中には、「コズ・ホープ」(巻いた敷物)、別名を「仮面の神殿」と呼ばれる代表的なプーク様式の神殿が建っている。 神殿外壁には360ものチャック神(雨の神)が飾られている。チャック神の顔には2種類あり、鼻が上を向いている時は、「雨を降らせて下さい!」、下を向いている時は、「雨を降らせてくれて有り難う!」を意味するという。 コズ・ホープの北側に、奇妙な人物像の姿を見つけた。最近発掘されたもので、一般の遺跡の写真には載っていないが、2体の人物像は宇宙飛行士を思い出させる。 |
| カバー遺跡の遠景 |
コズ・ホープの外壁を飾る切石モザイクは、よく見ないと何をかたどったものなのか分かりにくいが、丸く切り抜かれた切石が眼を表しており、両目の間から写真(下)のように鼻が出ていたものが今は欠けてしまっているものと思ってみていただくと、チャック神の顔をかたどったモザイクであることが分かる。 現在は、残念ながら外壁を飾る仮面の鼻のほとんどが折れ、廃墟の様相をていしているが、一部は象の鼻のようにくるりと上を向いた物が残っており、原型を留めている。 写真(下)は、鼻が上に向いたチャック神。つまり、雨乞い用のモザイクである。鼻が下を向いたものは次のウシュマル遺跡に登場する。 |
コズ・ホープ北面の下段には、X型十字架のモザイク(写真上)や菊の御門を思わせる奇妙な彫刻(写真下)が目に付く。 |
コズ・ホープ北面の上段に置かれた人物像を、紺碧の空を背景に眺めると、宇宙船を操縦する宇宙飛行士か、宇宙遊泳中の宇宙飛行士のように見える。
現地のガイドさんが「宇宙飛行士像」です、といって説明するのもうなずけるような気がした。 帰国後、宇宙図鑑の表紙に宇宙遊泳中の宇宙飛行士の写真が描かれているのを見て、コズ・ホープの写真を思い出したぐらいだから、感覚的には非常に似ているように感じられる。 膝から上にかけて、金属的なものを身にまとっているように見える。頭部にも何かヘルメット状のものを被っている。紀元後1000年当時の原住民インディヘナの姿にしてはあまりに異常な姿である。 当時の人間は,たとえ王族であろうが、神官であろうが皆、茶褐色の肌を露わにしていたはずであるから、このような着衣を身につけた姿は、彼らを表現したものとは考えにくい。 着座した姿の同様な像がイシュマル遺跡の展示室に置かれている。 |
近影の手首、指の形に注目していただきたい。
上腕から指先にかけての感じは、何か特殊な装置を動かしている姿そのものである。肘の部分から円筒状の器具を身につけ、、指先は円弧形の装置を操縦しているように見える。 |
疑似アーチ型(持ち送り積み式アーチ)と言われるマヤ独特のアーチで、マヤの凱旋門と呼ばれている。 この門を通って、密林の中を切り開いた街道を先に進むと、およそ18キロほどでカバーの姉妹都市イシュマルに到達する。 |