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 アステカ・マヤ・オルメカ文明
           探索への旅立ち

 私のライフワーク第二段、「超古代文明」存在の証を求めた探索の旅も、ペルー、エジプトに次いで舞台をメキシコへと移し、いよいよ第一幕の最終段階に入ることになる。

 これまでご覧頂いたように、我々は、ペルーにおいてもエジプトにおいても、既存の歴史観ではとうてい理解できない遺跡や遺物の存在を目の当たりにしてきた。上空、それも成層圏を越えた遙か上空からの眺めを前提として描かれた「ナスカの地上絵」、数十、数百トンの多面体の巨石を寸分の隙間もなく、ぴったりと壁の中に納めたクスコやサクサイワマンの「巨石遺跡」、標高2500メートルの山頂に浮か謎の空中都市「マチュピチュ」。

 さらに、王墓説や雇用対策事業説などでは到底説明し切れない、途方もなく巨大で精緻なギザの三大ピラミッドととスフィンクス。なかでも大ピラミッドについては、それが地球の形状と大きさを投影した一大モニュウメントであったとする証や、もしもこれを再建するとしたら、現代土木工学の最先端技術をもってしても、十数年の工期が必要とされるとした大手ゼネコンのプロジェクト計画を見てきた。

 また、スフィンクスについては、大量の雨水による浸食跡を地質学と古代気象学の立場から精査した結果、その建造時期について、定説の紀元前4500年を遙かにさかのぼる紀元前8000年から1万2000年前とする学説が発表され、エジプト学者に大きな衝撃を与えると同時に、今日この学説は不動のものになろうとしていることも見てきた。(この点の詳細はは「詳細レポート」エジプト編で後日報告する予定)

 これらは皆、現代文明のスタートとされる四大文明より遙か以前、おそらく1万数千年をさかのぼる「超古代文明」の存在を示す証となるものであった。これらの多くの証が導くところは、一万年をさかのぼる太古の時代に、既に、今日の科学をある面では凌駕するほどの人類が存在し、彼らの文明は、地球的規模の大災害によって壊滅的打撃を受けたものの、ごく一握りの人々が大災害を生き延び、かって彼らが保持していた知識や技術を新石器時代の人々に伝えたのが、四大文明発生の発端となったとする、一つの考え方であった。

 探索旅行への旅立ちまでは、「想像」と「思いこみ」でしかなかった「先史文明の存在」は、私の心の中で次第に確かなものへとなりつつある。今回のメキシコへの旅、オルメカ、マヤ、アステカ文明探索の旅が、この思いを更に確かなものにすることができるのか、私は大きな期待と不安を胸に10月20日、デルタ航空078便の機上の人となった

 

 メキシコシティー

 成田を1時間遅れの16時に飛び立って、ロスまでの9時間におよぶのフライトの後、3時間の待ち時間を経て、更にアエロメキシコ航空で4時間、締めて16時間の長旅を終えてメキシコシティーに到着したのが18時50分。いつものことながら「直行便があったら楽なのになー」と思いながらホテルに向かう。

 メキシコシティーは、東京オリンピックの直後のオリンピック開催都市で標高の高いことは有名であるが、その標高は2240メートルというから富士山の5合目位に相当する。そのため、北緯20度の緯度はベトナムと一緒であるが、熱帯並の暑苦しさはなく、平均気温はほぼ年間を通じて25度前後で快適な気候のようである。

 人口はシティーとその周辺部を含むと、およそ2000万人というから世界有数の大都会である。これは、メキシコの
人口9000万人の20%に相当し、都市集中化が極端に進んでいることを示している。不景気の影響で現在300万人の失業者がいると言われており、街には職を求める人々の集団が散見された。

 メキシコの旅行本には,メキシコシティーの悪名高い大気汚染が語られていることが多いが、今回の訪問では特段の深刻さは感じられなかった。年々改善が進んでいるのかもしれない。現地のガイドさんの説明によると、現在のメキシコにとっては、大気汚染以上に深刻な構造的問題が幾つかあり、そちらの方が大問題だという。それは次の3つに集約されるという。

 筆頭にあげられるのがが腐敗政治。70年間にわたって政権を握っていたPRI(メキシコの一大政党)の下、賄賂や袖の下の横行は相当のものであったようだ。今年の春ようやく政権が代わったので、改善されることを願っていますと、ガイドさんは語っていた。2点目は、教育問題で、一応中学までは義務教育になってはいるものの、小学校を卒業できていない人が1100万人もおり、文盲が900万人にものぼるという。

 3点目が、人口問題で国民総人口9400万人のうちなんと50%が15歳以下だというから、年齢構成が我が国とは逆三角形のかたちになっていることになる。我が国のように出生率が年々減少化していることも、将来への大きな不安材料であるが、一方、ここまで極端に高い出生率も国としては大問題であるに違いない。

 現在はマヤ系、アステカ系などの先住民インディヘナ(インディオのこと)のほとんどがキリスト教へ改宗しており、全人口の95%がローマカトリック教徒だという。そのため、教義に従って避妊や堕胎が行われず、それが、高出生率の要因になっているとのことであった。16世紀以降のスペイン人宣教師の布教努力もとんだところでほころびを出してしまったようだ。

 さて、いよいよ明日から遺跡探索の旅がスタートする。