旭岳の山麓に「天人峡」と呼ばれる景勝地がある。旭岳を下って数キロ213号線を走った先である。到着して先ず驚かされたのは、大自然の雄大さであった。中別川に沿った深い渓谷には、切り立った高さ30メートルほどの岩壁が連なり、そこには見事なまでの紅葉が彩りを添えていた。
事前に飛行機の予約をとらねばならず、撮影の日程は感を勝負のぶっつけ本番の旅であったが、幸いにも紅葉は真っ盛りで天候にも恵まれ、艶やかな景観に遭遇することが出来た。いつものことながら天に感謝、感謝である。
中別川の岸辺から見上げる岩壁の一角には、柱状節理と呼ばれる巨大な柱のような岩が切り立っており、そんな岩肌に根を下ろした草木が見事に紅葉。自然の織りなす荘厳な美しさには、ただ息をのむ思いであった。
そこからさらに先に進むと、「天人峡滝」と呼ばれる北海道随一の滝があるのだが、残念ながら昨年の台風で道路が寸断されていて、今回は訪ねることが出来なかった。天人峡は温泉地としても昔から有名である。下の写真のような温泉に使ってゆったりとくつろぎたいところであ
ったが、時間に追われる身、後ろ髪引かれる思いで次なる層雲峡へと向かった。