ハイブリットとSL
 

 



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半世紀の歳月の出会い
 

 

 
 


八ヶ岳山麓を走る「キャE991型・ハイブリット電車」  クリックで拡大

 


ハイブリット電車

蒸気機関車が日本の鉄道から消えてはや半世紀。その間、国鉄はJRへと社名を変え、今そのJRの路線を走っているのは電車、そしてジーゼル。そこに登場したのがハイブリットカーならぬ、ハイブリット電車である。

ハイブリットカーは今や次世代の主力自動車として、自動車産業を引っ張る勢いでその存在感を示してきているが、既存の電車やディーゼル車に代わるハイブリット電車の開発は自動車ほど進んでおらず、2003年に試作されたNEトレイン(キャE991型)の試験結果を受け、2007年にJR東日本の小海線に配置されたのが、世界で初めてである。

現在、このハイブリット電車は通常時、2両編成で、小淵沢〜小諸間を1日一往復している。ハイブリッドとは、二つ(またはそれ以上)の異質のものを組み合わせて一つになるものを意味する言葉である。そして、作動原理が異なる二つ以上の動力源をもち、状況に応じて単独・複数と動力源を変えて走行する自動車のことをハイブリットカーと呼んでいる。

2つの動力源を持つことによって、回生ブレーキでエネルギーを電気に換えて回収したり、エンジンが不得手(ふえて)とする低速時などに電気を使うことで省エネを実現することが可能になるわけである。小海線を走っているハイブリット電車の動力源は何かというと、ディーゼルと電池。

もともと小海線はディーゼル車が使われていたので、ハイブリット電車が走るのにはちょうど都合が良かったというわけである。甲斐駒ヶ岳を背景に走る景色(写真E)を見てもらうと、ハイブリット電車が架線のない線路を軽快に走っているのが分かる。

 

 

 

 
 


          黒い噴煙を吹き上げながら走る「蒸気機関車・D51」   クリックで拡大

 

 

蒸気機関車D51

今回、JR東日本の観光キャンペーンの特別企画で、中央本線の甲府駅と小淵沢駅の間を45年ぶりに「D51型蒸気機関車」(通称デゴイチ)が走ることになった。5月から6月までの5日間だけであるが、乗車席は満席、線路沿いには鉄道写真のマニアが押し寄せ、撮影ポイントとなりそうな場所はどこもカメラマンの三脚で一杯である。

今回の「D51型蒸気機関車(SL)」登場には大変な経費がかかっているようである。知り合いの駅員にお聞きしてみたら甲府〜小淵沢1往復で2000万円ほどがかかると言うことであったので、5回の往復で約1億円の出費と言うことになる。

このD51は普段は高崎駅の電車庫に置かれているようであるが、長い歳月を経て車両の部品の摩耗が進んでいるため、次第に馬力が出なくなってきているらしく、今回も甲府駅から小淵沢駅までの標高差400メートルを 客車4両をひいて登り切ることが自力では出来ないため、ディーゼル機関車が最後部に連結して後押ししている。

私はこの企画をまったく知らずにいたが、駅から聞こえてくる懐かしい汽笛の音に気づいて外に出てみると、我が家の屋敷に隣接する陸橋はカメラマンで埋まっていた。慌ててカメラを取りに家に戻って撮影したのが、掲載した写真である。

目の前を走る黒光りしたD51の勇姿と懐かしい汽笛の音を聞いていると、高校生の頃まで乗っていたあの蒸気機関車の感触が思い出されてならなかった。窓を閉め忘れたままトンネルに入ると車内に 石炭の煙が入り込み、よく咳き込んだものだ。あまり好きでなかったその臭いも今は懐かしさで一杯である。

奇しくも我が郷里・小淵沢駅は、半世紀の鉄道の歩みを示す「蒸気機関車」と「ハイブリット電車」の顔合わせの場となったというわけである。通常、D51が姿を見せる土日は講演会で埋まっているのだが、運良く講演の合間の日に走ってくれたので、その勇姿を見ることが出来たというわけである。思いがけなく天が与えてくれたプレゼントであった。

 



 

     

 



 

     

 

 

 

 

 

 

 

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