エジプト考古学博物館 A

ホーム
上へ
ピラミッドとスフィンクス@
ピラミッドとスフィンクス A
ピラミッドとスフィンクス B
カイロからアブシンベルへ
アブシンベルからアスワンへ
カルナック神殿
ルクソール神殿
王家の谷 @
エジプト考古学博物館 @
エジプト考古学博物館 A

謎の遺物 「オーバーツ」

先ず、下段の写真展示欄に添付された@、A、Bの写真ご覧頂きたい。
エジプト考古学博物館(通称 カイロ博物館)の二階のフロアーに展示されている初期王朝期の皇太子の墓から発掘された埋葬品であるが、一体なんだと思われるだろうか?

実は、オーパーツの一つで、「弾み車(はずみ車)」と呼ばれているものなのである。

ところで、あなたは、「オーパーツ(Ooparts)」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。
オーパーツとは、「out-of-place-artifacts」 つまり、それを生み出した時代や文化のレベルに合わない「場違いな工芸品や文化遺産」を表す合成語である。

数千年前の古代の遺跡から、ジェット機のミニチュアや照明装置や精密な工作器具などが発見されたとしたら、それはその時代の品物としては場違いなオーパーツるわけでる。
  
実は、近年世界中の遺跡から発見されながら、従来の文明史観からはずれるという理由で、正統派の歴史学者や考古学者から相手にされず、博物館の片隅や保管倉庫で埃をかぶったまま眠っていたオーパーツが、従来のパラダイムにとらわれな人々によって、新たに脚光を浴び始めている。

 

代表的なオーパーツをを挙げると、次なようなものがある。メキシコのマヤ文明の遺跡から発見された「ジェット機のミニチュア」。バグダットの郊外のバルティア遺跡から発見された「電池」。エジプトにあるハトホル神殿の地下のレリーフに描かれた「照明器具」。紀元前の地図をもとに16世紀初頭に描かれた「南極大陸の地図」等々である。 (南極が大陸であることが判明し、正確な地形が確認されたのは、1949年のスウエーデンと英国による地震波測定の結果であることからすると、それより、四百数十年も前に南極大陸が描かれることは理屈に合わない。)

それでは、エジプト古王国時代のオーパーツをもう一度じっくり見ていただこう。

それは、博物館二階の片隅にひっそりと展示されており、@の写真のように、一般観光客は全く関心を示していない。三対象的にデザインされた規則正しい曲線からなる、直径70センチ、厚さ10センチほどの、片岩で出来た遺物で、1937年に、古王国時代初期(B・C 3100年)の皇太子の墓から発見されたものある。

エジプトに最初の定住農耕民が現れてからほど遠くない文明の聡明期に、このような精密な三次元曲線によって形取られた精密な工芸品を、一体、彼等はどんな加工技術をもって作ったのだろうか?

この奇妙なデザインは、世界中の古代遺跡の発掘物のなかで全く類を見ないタイプである。当時の時代感覚からすると、独自の発想で作られというよりは、何かを模倣して作られた工芸品という印象が強いがイギリス人エジプト学者アルドレッドも「この物体はおそらく、元々金属製だったものを型取ったレプリカだろう」と言っている。

更に興味深いことに、アメリカのロッキード社の技術者は、自分たちが近年、宇宙船や機関車の新型エンジン用に試作した「弾み車」にそっ
くりの形態だと述べている。
 
ということは、初期王朝時代以前に我々に未だ知られていない「未知の文明」が存在し、その文明が残した、一種の精密部品を古王朝時代の人間が手に入れ、遺物の何たるかも知らぬままに、その素晴らしさに感動し、加工しやすい片岩を用いてレプリカとして作ったと考えることも出来る。だとしても、それを作った彼等の加工技術は一体何処から来たのであろうか?

今回の旅行の最も貴重な写真の一つである。じっくり見て頂きたい。
 
残念ながら、今回の旅行ではあと二つのオーパーツ、ハトホル神殿の照明器具を描いた壁画と、カイロ博物館に展示されているはずの、紀元前2世紀の墳墓から発見された「模型飛行機(グライダー)」を、直接目にすることが出来なかったが、『世界古代文明の謎』((日本文明社刊)に二つのオーパーツの写真が掲載されていたのでコピーさせていただいた。ご覧頂きたい。

どうやら、エジプトにはもう一度行かなければならないようである。

 

      
      写真説明

    写真をクリックすると、拡大版が見られます。戻る時は
    プラウザの「戻る」をご使用下さい。

   @ オーバーツ展示室

博物館二階の一角に、観光客からは全く無視され、ひっそりと展示されていた。

     A  謎のオーパーツT(サイドから見る) 

カイロ大学出身の現地のガイドは、大学の歴史で教えられた花瓶説を頑なに主張していたが、帰国間際に、花瓶より弾み車の方が説得力がありますね、と本音を漏らしていた。現代流の生け花のモダンな花瓶ならいざ知らず、少なくとも今から5000年も前の、古王朝時代の花瓶にしては、いくら何でも手が込んでい過ぎはしまいか。

    
   B オーパーツU(上から見る)

 

  C オーパーツ拡大版

 

   D 照明装置のレリーフ


ルクソール郊外のハトホル神殿の地下室にある壁画のレリーフ。現在の神殿は、有名なクレオパトラ女王時代に建立されたものであるが、神殿の地下部分はそれより遙かに古い時代の物と言われており、ここに描かれているレリーフもその当時に描かれたものである。

    

 


絵柄の中心はガス入り電球にそっくりである。電球の中のフィラメントは蛇の形で描かれているが、蛇とかコブラは、エジプトや他の古代文明において、電気や稲妻のシンボルとなっていることを考えると、電球説が真実味を帯びてくる。

電球の付け根の部分から延びている電気コードのような物は,何か発電器の装置のような物に接続されている。また、大きな長細い電球を支えているのは、絶縁器を兼ねた支持台のように見える。そして、照明に照らされた明るい部屋の中で、職人がレリーフを描いたり、内壁を磨いたりしている様子が伺える。

今回のエジプト旅行中、ピラミッドや神殿の内部を見学するたびに、不思議に思ったことは、明かり取りの窓が全くないのに、天井や壁にすすの跡が残って いないことである。

当時使われていた照明道具は、松明かせいぜいあってオイルランプぐらいの物であったはずである。ならば、真っ暗闇の通路や部屋で長時間作業する間に用いた、これらの照明器具によって、部屋も通路もすすだらけになっていなければおかしい。

とすると、古代エジプトでは、既に初期の王朝時代に電気的な照明装置が存在していたのではなかろうかと考えざるを得なくなってくる。そして、その装置が、ここハトホル神殿の地下に密かに描かれたのではなかろか。

 

     

E グライダー     

1898年にギザから凡そ40キロほど南にあるサッカラの都市遺跡で、紀元前二世紀頃の墳墓から発見された木製の工芸品である。

発見当初は、木製の鳥類像として特別の関心をひくこともなく博物館の地下室にしまい込まれていたが、ある学者が現代の航空機との類似点を指摘したことから、エジプト文化庁が特別調査委員会を設けてこの木製像を研究させるところと相成った。

その結果、航空学の専門家たちは、翼の反り具合が揚力の原理にかなっており、さらに、翼の端の下方への反り方が機体の安定性を保つのに最適だと指摘した。その調査結果を受けて、文化庁は、これは古代の模型飛行機であると銘打って大々的に特別展示会を開催している。
      
確かに、専門家に言われるまでもなく誰が見ても、これは鳥には見えないし、小さい頃に、竹や木で小型のグライダーを作ったことのある人なら、誰でも、この工芸品を見せられたら、グライダーのレプリカだと指摘するに違いない。
      
現に博物館一階の入り口近くに木製の鳥の像も展示されてい たので詳しく観察してきたが、これらには、目やく口ばしや羽が描かれていて木製グライダー像とはおよそ形態が違っていた。

 

 

 

@hazumi7.jpg (26980 バイト)

A謎のオーパーツT.jpg (19285 バイト)

B謎のオーパーツU.jpg (22008 バイト)

 C謎のオーパーツV.jpg (23938 バイト)

 

Dsyomei2.jpg (20787 バイト)

照明装置の写真はエジプト
「オーパーツ」の旅編で私自身の撮影写真を紹介していますので、そちらをご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Eオーパーツ グライダー.jpg (7932 バイト)

グライダーの写真は、
私の撮影したものが
添付されていますので、
そちらをごらんください