グアテマラ・テレビ撮影の旅 I


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ティカルのセレモニー

 

ペテン地区周辺一帯に住むマヤ先住民にとって年に一度の祭祀の日がやって来た。先のページで掲載したようにこの祭祀は先住民だけで行うもので、部外者は一切参加することは出来ない。ただせっかくの機会であるので、遠くから でも見学させてもらえたらと願っていたところ、前日、ドン・アレハンドロから長老たちの集会で、参加を特別に許されたという連絡が入った。

それどころかなんとテレビの撮影も許可するというのだから驚きである。グアテマラのテレビ局ならいざ知らず、他国のテレビがティカルの聖地で行なわれるマヤ民族の伝統的なセレモニーを撮影できるなどということは、前代未聞であるはずだ。

実は前日、ドン・アレハンドロに紹介されてポップツーン(Poptun) という町で開かれたマヤの長老会議に参加させて頂き、長老の皆さんにご挨拶させて頂いたのであるが、その後、合議の上で、私のセレモニーへの参加とテレビ撮影が許可されることになったようである。ひとえにドンの口利きによるものと思われるが、有り難いことである。

驚いたのは私だけではない。テレビの取材班も予期しない取材許可が出たため、大変な喜びようである。翌朝は朝早くから準備を始める。遠くの村々から夜明けと共に大勢の人々が集まってくる と思われるので、その様子を撮影させてもらおうというわけである。

思っていたとおり、8時前には、遺跡の入り口の前の広場は集まってきた人々で一杯である。よく見るとバスで参加した人も多いようだが、徒歩でやって来た人も少なからずいるようである。長老の方にお聞きしてみると、中には、2日、3日かけて百キロほど離れた村からやって来ている人々もいるのだという。

間もなくすると、仮面とカラフルな衣装を身につけたポップツーン村の若者の踊りに会わせて、参加者たちの会場への行進が始まった。恐らく1時間はかけて歩くことになるのだろう。我々取材班は先回りしてティカル遺跡の広場で待つことにした。

この日はグアテマラの建国記念日でそれを祝してのセレモニーと言うことであるが、参加した長老にお聞きしてみると、先住民にとっては建国は決して祝う日ではない。なぜなら彼らの立場からすると、建国 日は自分たちの土地を取り上げられた上に、貧しい生活とスペイン人に対する従順を意味する日の始まりであるからである。

それゆえ、先住民はこの日を「人種の日」、「連帯の日」、「抵抗の日」として捉えているようで、特に今年は、各自の健康や教育の普及、富の偏差の解消を願い、巨大ダムや高速道路建設に反対するセレモニーとなるようである。3段目中央の写真を見ると、まるで赤旗を立てた労働組合の決起集会のような感じがする。先住民たちの長い間の 差別と格差に対する不満がいかに大きいかを知らされたようであった。

昨年誕生した大統領の下で初めて先住民の代表が大統領府内に入り、先住民の格差是正や人権問題を推し進めることが出来たばかりである。そういった意味からしても、 先住民たちの「グアテマラ民族長老議会議長」と同時に「グアテマラ先住民政府代表大使」の肩書きを持つドン・アレハンドロへの期待は大きいわけである。

 

 



 


ホテルの庭に咲く
トロピカルな草花 @
 

A

B

 



 


遺跡の入り口にある広場
には早朝から、次々と先住
民たちが集まってきた。
 

カラフルな衣装とお面を
つけた踊り子たちが先頭
を切って会場へと向かう。

遺跡入り口の道は大勢
の参加者で満ちあふれて
しまった。

 



 


1時間ほどかけて
ティカル遺跡の広場に到着
 


ジャガー神殿の前で
「富の偏在」「格差」の
解消を訴える
 

いよいよ祭壇に点火され
降臨した神に祈りが捧げられる

 



 


2号神殿の上から撮影
 


先住民の願いを天に
届けるように、燃えさかる炎

炎の中にマヤの神{ククルカン」の
姿が写り出されることがあるという。
 

長老である祭司に
祈祷してもらう @

 



 


A
 


部外者の私も、先住民
の願いが叶えられるよう
護摩段に向かって祈りを
捧げる
 

祈りを捧げる人

赤い袋を下げた人物は
部族の長老

 



 


ノース・アクロポリスの
前で、ドンアレハンドロと
 

高さ70メートルの4号神殿
の上から1、2、3号神殿を
見渡す。

4号神殿から眺めた夕陽

                                       

             【特別許可をえて撮影したものですので、写真の転載は一切厳禁です】

 

 

 

 

 

 

 

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