カラフルな「チキンバス」
ホテルから少し歩くとアンティグアの市場に出る。ここには周辺の村々から大勢の買い物客が訪れる。その客が乗ってくるのが「チキンバス」と呼ばれるボンネットバスである。8〜9年前まではアメリカのスクールバスのお下がりが使用されて
いて、全部黄色いバスだったようだが、今ではその多くが色鮮やかにペイントされたカラフルなバスに変わっている。
一部は黄色いバスも走っているが、それは主に近郊用で、カラフルなバスは中長距離用である。なにゆえ、それらが「チキンバス」と呼ばれるようになったのかというと、その由来には二通り
の説がある。一つは、乗客が
ニワトリを含めたありとあらゆる荷物をバスに持ち込んでくるからだという説、もう一つは、ニワトリを運ぶ貨物車並にたくさんの乗客を詰め込むからだという説
である。
助手が派手な呼び込みで乗客を誘い、満席になるまで出発しない点や、満席を超すと3人掛けのシートに4人掛けさせているところを見ると、後者の説の方が有力に思えてくる。
この種の低料金のバスが混み合うのは、採算上やむを得ないことだが、問題は外国からの観光客が安いからといって、うっかりこうしたチキンバスを利用すると、とんでもない支出
を強いられることになることである。
というのは、この混雑を利用した「スリ」が横行し、観光客のフトコロを狙うからである。市場で出会った日本人の青年にお聞きしたところ、被害に遭う日本人は結構多いようである。皆スリのことは知っているので乗車した最初は注意している
ものの、遠距離のためバスの揺れでつい、うとうと居眠りをした瞬間に狙われることになるようだ。
ということなので、これからマヤの遺跡探索を兼ねて、グアテマラへの旅行をお考えのお若い青年男女は、十分に注意
していただきたいものである。お金もそうだがうっかりパスポートまで盗られたら、観光どころではなくなってしまう。
下段に掲載した最初の写真@を見て頂きたい。チキンバスのほとんどがフロントガラスに好みのステッカーを貼っている
のだが、このバスの張り方には驚かされる。これだけ貼ったら前が見えなくなってくるのではないかと心配になるのが人情である。
そこで、いらぬお節介であるが、停車中の車に乗り込んで中から外を覗かせてもらった
ところ、運転席からはステッカーが透けて見えたので一安心した次第である。それにしてもマヤの人々は衣装もカラフルだが、車もまた派手である。
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@ 市場の駐車場は
チキンバスで一杯だ。
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A ステッカーを目一杯
貼ったチキンバス |
B 石畳の道路を
3輪タクシーが走る
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富士山に似た、早朝のアグア
火山のシルエットが美しい。
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夕暮れ迫る街の時計台
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石畳が似合う女性
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妹を抱く姉 |
街角の一角で
縫い物をする女性 |
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赤子を抱いた若い
お母さんが石畳を渡る |
スペイン系の高級住宅
に来た先住民の行商親子。
この町には今もなお、歴然
とした差別が残っている。
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先住民系の人々は頭に
荷物を乗せるのが子供の
頃から身に付いているようだ
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