8月21日(水)
天気は快晴で、海は驚くほど穏やか。まるで瀬戸内海を航海しているようだ。お陰で昨夜は船の揺れはまったく感じられず、原子力エンジンの心地よい震動がマッサージ代わりとなって、ぐっすりと休むことができた。
午前中、避難訓練が行われ、午後、今回の旅行の企画会社「ポセイドン社」(ロシア)のエクゼティブ・リーダー、ヴィクトル氏から乗船中やヘリコプター、ソジャック(エンジン付きゴムボート)に乗降する際の注意事項が伝達された。
その後、ヤマル号の乗組員やポセイドン社のスタッフの紹介が行われた。少々驚いたのは、4人のライフル・マンの登場であった。彼らは我々が氷上に降りた際、周囲に配置され、ホッキョクグマの急襲から守る役目を担っているのだという。
ヘリコプターの操縦に携わる機長と副操縦士、機関士の三人には我々の命運がかかっているだけあって、一段と大きな拍手わく。
明朝には北緯80度に達しているはずだ。明日は最北端の島が点在するフランツ・ヨーゼフ諸島への上陸が予定されている。
好天に恵まれることを祈って、夢路につく。