8月26日(日)
念願の北極点到達を終えて帰路につく。
機関室長よりヤマル号についての説明を受ける。ヤマル号の諸データーは以下の通りである。
船長154メートル、最大幅31メートル、一番高い所51メートル。総排水量2万3000トン。馬力7万5000馬力。船員数102人。砕氷能力は2.5メートルの氷を砕氷しながら毎時2ノット(3・2キロメートル)で連続運転可能。砕氷可能な最大の厚さは4メートル。
ヤマル号は1992年に建造されたロシアでは最も新しい原子力砕氷船で、これまで運行距離数はおよそ50万マイル、その内のほとんどが流氷海域での航海である。
船の中央部に2基の原子炉を積んでおり、ここで作られた蒸気は2基のメインタービンを回し、7万5000馬力の推進力を生み出している。
またこの蒸気は別の発電用のタービンをも回している。発電された直流の電気は、ジェネレーターによって交流に変換され、照明、工作室の動力、蒸留水製造装置など船内全ての動力源となっている。
流氷海域を主に航海する砕氷船ならでは特徴として、航海中に船体のまわりが氷結しないように、400馬力のエアープレッサーから100度Cの蒸気が船体下方の幾つかの穴から吹き出されている。その量は1日100トンにも達するという。
さらに、当船は海水から蒸留水を製造できる装置を持ち、その能力は1日240トン。この蒸留水にミネラルが加られ、飲み水となっている。そのため艦内ではふんだんに水を使うことができる。