ヤマル号第11日目

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8月31日(土)

今日は一日、レクチャールームで講義。私も飛び入りの講師で、『謎多き惑星地球』の講演をする。お年を召した方が多いにもかかわらず皆さん興味をもって聞いておられた。講演のあと、パソコンで遺跡の写真やオーパーツをご覧いただいたが、大勢の人がパソコン取り囲み、小さな画面に食い入るように見入っていた。先史文明の話にいかに多くの人が興味をもっておられるか、垣間見た思いがした。

心配されたシケにもあわず順調に航海を続けている。いよいよ明日はムルマンスク到着。12日ぶりに陸地に立つ。夜のサヨナラ・パーティは船員の皆さんの余興で大いに盛り上がる。お世話になった大勢の皆さんにいよいよ明日でお別れだ。12日間同じ屋根の下にいると親しみがわいてきて、別れが悲しくなってくる。

眠りにつこうとしていた夜半、突然オーロラ出現のアナウンス。急いで最上階のデッキに駆け上がると、船の進行方向に綺麗なオーロラが見える。パジャマ姿に防寒具の乗客の間から「歓声」と「ため息」がもれる。

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  しばらくすると、南天の空に架かった揺らめく光のカーテンは、水にもらしたインクが染み渡るように天空へと拡がり、天上一杯に光の乱舞が始まった。スタッフも皆甲板に出てきて歓声をあげている。聞いてみると、長い航海の中でもめったにお目にかかれない光景だという。

アラスカ在住の船津氏でさえ、これだけ見事なオーロラを見るのは初めてだという。陸地と違い、船の甲板上は視界が360度だけに、その素晴らしさが100パーセント堪能できるのだからたまらない。オーロラツアーでもお目にかかれない見事な光の乱舞に、艦上の誰もがうっとりと見ほれつづける。

昨日の氷河上空の遊覧飛行に代わる天からのプレゼントだろうか。それにしても、こんなチャンスに恵まれた我々は幸運であった。

お陰様で、北極点探索の旅のフィナーレは素晴らしい思い出で締めくくることが出来た。最後に、旅行中お世話になった船長や講師の先生方、それにスタッフの皆さんに謝意を表し、「北極点に立つ」シリーズを終えることとする。

              
           長い間 「北極点に立つ」シリーズをご覧頂き有り難う御座いました。

             


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原子力砕氷船ヤマル号

キャップテン
Alexander Lembrik

講義中のビクターと
船津氏


Victor Boyarsky
極地探検家・現在サンクトペテルブルグにある北極・南極研究所館長
北極点に25回到達。犬ゾリによる南極横断。

 

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船津圭三氏

犬ぞりレーサーとして、現在アラスカのフェアバンクスに在住。

犬ゾリによる南極横断を達成した日本を代表する探検家でもある

通訳のウラジミル氏(右)

通訳のキムさん

彼の通訳は素晴らしい。講師の専門用語もほとんど完璧に訳していた。


太田先生

元ノルウェー国立極地研究所教授。同位体岩石年令学専攻
北極30回以上、南極6回
到達。
現在ノルウェー・オスロに
在住。

 

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大型の卓上型氷山

砕氷するヤマル号

極点のヤマル号

極点に立つ著者


 

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