ヤマル号第8日目

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アポロノワ島へ上陸

早朝デッキに出ると、氷原が消えた海上にフランツ・ヨーゼフ群島の島々が見える。この時期、流氷の南限は北緯83度位のようだ。しかし、それはこれから日ごとに南下し、間もなくヨーゼフ群島も氷に閉ざされることになる。

予定では、アポロノワ島にゾーディアックで近づき、群生するセイウチを観察する予定であったが、朝から曇り空で波も高く一時、中止となる。

午後、天候の回復を待ってヘリでチャンパ島に上陸。この島への上陸はかってどの探検隊も試みたことがないと言う。北極へのツアーではましておやである。つまり記録に残されている限り、この島への上陸は我々が人類初ということになる。

やや急な斜面を登っていくと、背丈ほどの大きさの丸い石が見えてくる。近づいてみるとほとんど真球に近い形をしている。

同行の太田先生によると、氷河の中に埋もれていた砂岩が、氷河が移動する際の摩擦によって削られこのような形になったのだろうという。

それにしてはあまりに真球に近すぎる。偶然でこれほどの真球ができるものだろうか。南米のコロンビアからも、これとよく似た石球が発見されているが、それらは真球に極めて近いため、人工的なものとされている。    → Costa Rica 謎の大石球

よく見ると、周りに5個ほど同じような石が転がっている。散乱する石球を眺めていると、コロンビアの「謎の石球」を思い出す。少し上の石はやや形が崩れているが、大きさは他の石に比べ巨大で、直系がおよそ3メートル近くありそうだ。

帰船する際、ヘリから眺めた周りの島々の景色が素晴らしい。日に照らされ白銀に輝く氷河の流れを見ていると、南極の島々を思い出す。

今夜も、北緯80度のフランツ・ヨーゼフ諸島近海は白夜が続く。

 

 

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フランツ・ヨーゼフ諸島
の一島「チャンパ島」へ
ヘリで上陸する

背丈ほどの石球@

A


寒々しい風景が広がる丘の中腹に、シロクマの警備に当たるガードマンの姿が見える



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氷河が覆われた山脈が
海岸に向かってせり出している

帰船するためヘリに乗る

船から眺めた周囲の島々
@

A

 

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B

海岸にせり出した氷河


ロシアのテレビクルーが
フランツ・ヨーゼフ諸島を撮影している

北緯80度附近では、
これ以上暗くなることは
ない

 

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