昨日、世界と駆けめぐったトップニュースは「ニュージーランドの銃乱射事件」。犯人は過激な反イスラム的思想を持った隣国・オーストラリアに住むの白人。襲撃場所はニュージーランド南島の都市・クライストチャーチにある二つのモスク(礼拝所)。
犯人は礼拝室から礼拝室へ、金曜礼拝に参加していた人々をつぎつぎと射殺しながら移動。 銃の乱射音は6分間近く続いたようである。
死者数は49名、負傷者の数を合わせると被害者は100人弱。彼らは皆移民としてニュージーランドに渡ってきたイスラム系の難民や移民たち。彼らは移民として、また保護を求めてやってきた人々で、ニュージーランドを第2の古里として暮らしていた、何の罪もない人々であった。何とも残虐なテロではないか。
ニュージーランドは世界各地を旅し、探索してきた私が、もしも日本を離れることになったら真っ先に移らせて頂きたいと思っている国である。
素晴らしい自然が残されており、街の中もきれいで、接した人々がみな素晴らしい人たちであったからである。今回被害にあったクライストチャーチは、
その代表的な街の一つであっただけにショックは大きかった。
ニュージーランドを訪れてなんといっても驚いたのは、街の中に電柱が一本もなく、信号機がないこと。都会であろうが田舎であろうが、電柱と信号機だらけの日本と比べると、何ともうらやましい風景であった。そんな街の中には花の咲くきれいな庭園を備えた家が建ち並んでいた。
そんな穏やかな風景と、世界で2番目に安全な国として知られるニュージーランドで発生した今回の悲惨な事故は、私にとって何とも衝撃的なニュースであった。いまIS(イスラム国)が消滅に向かっているとはいえ、ISやアルカイダが世界にもたらしたテロ思想は、今やとどまることが無く世界各地に拡散し続けて来ている。その一端が今回の悲惨な事故であった。
我が国のように大規模なテロなど縁のない国にとっては、他人事としか思えないかもしれないが、もはや全ての艱難・事故が他人事では済まされない状況に至っていることを自覚してほしいものである。
私がニュージーランドから帰国して間もなく、クライストチャーチで起きたのが大規模な火災事故、そしてその直後に発生した3月11日の東北の大地震が、思い出される。