国際社会からの支援が遅れ、
被災者は飲み食いできず、住む場所なし
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風速45mの強風と洪水で90%が破壊されてしまったモザンビークのベイラの町
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今月上旬から大雨に見舞われていた南アフリカ東南部。数日前にモザンビークのベイラに上陸したサイクロン「イダイ」は近隣のジンバブエ、マラウイなどにも被害をもたらし、被害者の数は250万人に達している。現地では国の支援が得られないため、被災者自らが連日行方不明者の捜索と救援活動を続けている。
被害があまりに広域にわたり甚大になっていることから、情報が世界に伝わるのが遅くなってしまい、ここ2,3日ようやく英国やドイツなどの報道関係者が現地入りしたことから、被害の状況が伝わるようになった
のである。現時点での推測では、サイクロンがもたらした風速45mの強風と豪雨による死者と行方不明者の数は、モザンビークだけで数千名に達しているようだ。
昨日のイギリスBBCテレビのニュースが伝えるその惨状は凄まじく、思わず画面から目をそむけたくなってくるほどだ。ようやく英国BBCの取材班が入ったのはモザンビークの港湾都市ベイラ。そこは全てが水に飲み込まれて町の90%が破壊され、食糧も水も寝る場所もない人々が、疲れ切った表情で呆然と天を眺めている
姿が映されていた。サイクロン「イダイ」は壊せるものは全てを破壊し尽くし、飲み込む家は全て飲み込んでいったようである。
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上空から眺めた記者は、巨大な湖と化した眼下の土地にはどれだけの
家が建ち、何百人が暮らしていたのだろうかと、言葉を失ったと語っていた。
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何世代もの間人々が暮らしてきた土地が河と化してしまった。
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橋もずたずた、いつになったら渡ることが出来るのだろうか
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復旧の手が届かないため、現地の人々だけで救助活動が行われている
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昨日は米国のネブラスカ州の豪雨による被害状況をお伝えした。その惨状はジンバブエと変わらないが、彼らは事前に伝えられる気象予想をもとに備えも出来れば、安全な場所へ避難することも出来る。しかし、サイクロンの到来とその大きさすら事前に知ることのできないアフリカの人々は、非難も出来なければ準備も対処も出来ないのだから悲惨だ。
ネブラスカ州の公有物の改修費は5億ドル(560億円)だというが、国や州がやってくれる。自宅の破損費用も損害保険に加入していれば自己負担は少なくて済む。しかし、モザンビークやジンバブエの人々はそうはいかない。破壊された道路や河川の補修工事は何年も何年も先のこと。住民のほとんどが掘っ立て小屋を造り、これから先、長い間飲み食いするのが精一杯の生活を続けることになるのだ。
国連は10万人余の人々が助けを求めていることを伝え、各国政府に急いで支援の手を差し伸べて欲しいと訴えている。
何しろ被災者たちは世界で最も貧しい人々であるのだ。我が国のマスコミはこうした惨状をほとんど伝えていない。事の重要性を認識していないため取材班の現地入りが遅れているからだ。できる限り急いで現地入りし、その記録的な惨状と飲み食いすら出来ずにいる人々の実態を伝えて欲しいものだ。
幸い「国境なき医師団」と「国連UNHCR」は現地入りして、支援の手を差し伸べることが出来る状況にあるようなので、本日、わずかではあるが支援金を振込させて頂いた。茨木からご来館頂いているグループの方からお預かりしている義援金の一部も加えさせて頂いたので、ご報告させて頂く。
なお徳乃蔵にご来館の皆様におかれては、義援金箱を用意させて頂きましたのでご協力頂けたら嬉しい限りである。 来月の半ば頃を目途に、まとめてお振込みをさせてもらおうと思っています。
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大木の倒壊で破壊された家屋
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上流から流されてきた石で覆われた村里
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避難する人々が抱えているのは、わずかな荷物とニワトリ一羽。
被災者は世界で最も貧しい人々であるのだ。
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破壊された家の中で遊ぶ子供たち。
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子供を抱いた暗い表情の二人の姿は生きるすべを失ったかのようだ。
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この少年は苦難に満ちた自分の未来に思いをはせているのだろうか。
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現地入りした「国境なき医師団」の医師は1日も早い支援を訴えていた。
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