南の島の野鳥を追う
石垣島最北端の平久保崎灯台を訪ねた。市街地からおよそ60分ほどの距離である。平久保半島の周囲に広がるコバルトブルーの海の彼方には、梅雨明けの空に入道雲が湧き上がっており、最高の景観を楽しむことが出来た。
今回の旅の一つの目的であった野鳥の撮影、幸運にもリュウキュウ・アカショウビンとアオバズクの巣立って間もなくの雛の姿を撮ることが出来た。
アオバズク
竹富島から石垣島に戻ったその日、地元の野鳥研究家の方にアオバズクの雛が孵ったことを教えて頂き、訪ねてみると、今朝方、巣立ったばかりの可愛い雛が巣のあった木の低い梢(こずえ)に止まっていた。
3個産卵したようだが、一羽しか孵らなかったようで、この世に誕生して始めて眺める景色に、黄色に輝くまん丸い目をいっそう丸くして、不思議そうな顔で撮影する私を見つめていた。親鳥に無用な心配をかけないようにと急いでその場を離れ、少し離れた木々を探してみるとすぐ近くの木に親鳥が雄雌揃って
とまり、天敵が来ないように見張りをしながら雛の様子を見守っていた。
アオバズクはフクロウの一種で、東南アジアの島々から、日本には夏鳥としてやって来る。八ヶ岳山麓でみるアオバズクと姿はほとんど変わらない
ようである。雛は1〜2日たつと親鳥のいる木に移り、親鳥と共に段々高い枝に移動する。
雛は夕暮れ近くになるとチリリリ、チリリリと虫のような声で鳴き、親に餌をねだる。親鳥は昆虫類を主に、カエルや小鳥なども捕まえ雛に運ぶ。
残された1羽の雛の無事の成長を願ってその場を離れることにした。
アカショウビン
本土では滅多に見れなくなったアカショウビンであるが、八重島諸島に渡ると艶やかなリュウキュウアカショウビンの姿を見ることができる。それは本土のアカショウビンとは違って、羽根がやや紫色がかった
赤色をしている。
鳴き声が独特で、移動するときに「キョロロロロー」と尻下がりの震える声で鳴き、体が朱色をしているので、比較的見つけやすいが、
人の姿を見かけるとすぐに飛び立ってしまうので、撮影は簡単ではない。
カエルやトカゲなどの小動物や魚、沢ガニなどを餌にしている。林や渓谷沿いの木の枝に止まって辺りを見張り、地上や水面に餌を見つけると、急降下してこれを捕まえる。体の割りには嘴
(くちばし)が大きいので、結構大きな餌をくわえる姿を見かける。
シロハラクイナ
ペルー・アマゾンで撮影したナンベイレンカクなどと同じクイナ科の鳥で、熱帯アジア一帯に分布しており、日本では沖縄や八重島諸島に棲息している。主に水田や川などの湿地帯を好んで棲んでいるが、山間部の茂みにも少数が棲息する。私が見つけたのも、バンナ公園という丘陵地であった。
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平久保崎灯台の山頂
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平久保崎(ひらくぼさき))
灯台
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平久保崎灯台からの展望 @ |
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ズグロミソゴイ
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シロハラクイナ |
リュウキュウ・アカショウビン |
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