クルージングを終えて帰船した後、船内ではキャンピングについてのレクチャー。今夜はどうやら南極大陸での氷上キャンプが行われるようだ。夕食前、デッキにでてみるとパラダイスベイの夕焼けが始まっていた。カメラを取りに急いでキャビンに戻って、撮影を始める。次第に暮れている南極の空は茜色に染まり、パラダイスベイの幻想的な夕焼け景色はゆっくりと薄暮から暗闇の中へととけ込んでいった。
食事を済ませると、いよいよ氷所キャンプに出発である。
アルゼンチンのブラウン基地のある地点に近い海岸に上陸し、テント張りが始まった。床になる辺りの新雪を踏み固めて平らにし、テントを張る。中ににはマットを二枚敷き、その上に寝袋にくるまって寝ることになる。
準備を終えた後、夜空を眺めると天上には南半球の星々が輝いている。あいにくうっすらと雲がかかっていて満天の星というわけにはいかなかったが、雲間から南十字星の輝きが見えた。
船のデッキからは船室の灯りのためにきれいな星空が見えにくい。氷上キャンプによって初めて実現した南十字星の眺めであった。
10時過ぎ寝袋に入って就寝する。