氷上キャンプは、さすがに寒く、夜半過ぎに目が覚めた。厚手のセーターを着込んで再度眠りにつく。
早朝5時に起床。外気はマイナス15度。天候は晴れ。
船に戻って朝食を済ませてブリッジに上がると、ウィルヘルミナ湾を南極半島に向けて航行していた。ペンギンが群をなして海上をイルカ飛びしている光景を見ることが出来た。「イルカ泳ぎ」は、文字通りイルカのように海面上に飛び出して息継ぎしながら進む方法で、遠くの餌場に行くときや、シャチやヒョウアザラシなどの天敵から逃れるときなどに使う。
ただ写真撮影はしんどい。海面に浮上するタイミングをうまく捉えないと絵にならない。掲載の写真は何とか様になった一枚である。
卓上氷山(箱型の平らな氷山で巨大なモノが多い)に出くわした。長さは300メートルを超えており、ロス海の棚氷が崩れて流れ出してきたものらしい。南下して大陸に近づくと氷山は次第に巨大化してきて、大きなものは船がすれ違うのに何時間もかかるほどだというから、小さな島よりずっと巨大ということになる。
14:30 オレンハーバーより南極半島に上陸。海岸にはオットセイのコロニーがあり、数十頭の南極オットセイが群がっていた。標高200メートルほどの小高い雪山に登る。高さは大したことはないが、傾斜がきつく、新雪の雪で滑るため、登りは結構きつい。
崖の傾斜面や頂上附近の岩場にヒゲペンギンのコロニーがあり、数百羽のヒゲペンギンの姿が見えた。餌を取りに海に行き来するのに、こんなに高くて急な傾斜面を上り下りするのはさぞかし大変だろうと、他人事ながら気になった。