年の瀬と正月、久しぶりに富士の麓に立った。 氷点下30度の米国北東部に比べればとても寒いとは言えないが、今年の冬は風が強いため体感温度は氷点下10度を超しており、湖岸に立つと肌が痛く感じる。 今年のカレンダーは富士の四季をテーマにしたので、正月の
山の様子を知りたい方が多いのではないかと思い、本栖湖と田貫湖を訪ねることにした。
我が家からは、毎日のようにその姿は展望できるのだが、その裾野に立って眺める富士の雄姿は迫力が違う。
それに春夏秋冬の中で、やはり富士の眺めは雪化粧した冬の姿が一番だ。 その姿を一段と艶やかに美しく見せてくれるのが、コバルトブルー
に輝く富士五湖など周辺の湖と一体となった景観だ。
いつものことながら、なぜか積雪に輝く富士の前に立つと、手を合わせたくなってくる。 霊峰富士なるがゆえの神々さが感じられるからだろうが、我々はこの聖なる富士の姿をいつまで見続けることが出来るのだろうか。
宝永の噴火以来300年余、その日が近づいていることは確かだが、次の噴火は富士の姿が変わると言われているだけに、均整のとれた美しい霊峰の姿は
、火口から噴煙が上がり出した時が見納めとなるに違いない。
龍神様が八重に十重にと取り囲み、その時を先延ばしして下さってはいるものの、いつまでもというわけにはいかないことは確かだ。
それにしても、今年の富士は例年になく積雪の量が少なく、特に頂上部の山肌が目につく。 読者に購入頂いた今年の1〜2月のカレンダーと見比べて頂ければ、その少なさがお分かりになられることだろう。 12月に入ってからの降雪で寝雪になったはずなのに、これだけ消えてしまうとは驚きだ。 例年にない強風により吹き飛ばされたのだと言われているが、ほんとうに強風のせいだけであればよいのだが。