枝垂れ栗

 

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初冬の冬景色

1500万カウンター越えに感謝


ホーページのカウンターがいつの間にか1500万回を超えた。思い起こせば、10年ほど前、ホームページプログラム「フロントページ(マイクロソフト製)」を購入し、ソフト の「ソ」の字も分からないまま、カタカナ文字の羅列するテキストを読んで作ったのが本ホームページの始まりであった。

数百人規模であった1日の来客数が次第に増えて数千人になり、いつの頃だったろうか気が付いてみるとその数が1万人を超えるまでになって いた。およそ10年間に掲載したページ数はどのくらいになっただろうか? 数えたことはないが1000ページは遙かに超えており、 撮影した写真の掲載枚数は悠に3000枚を上回っているはずだ。

エジプトやペルー、グアテマラ、メキシコなどの遺跡探索の写真を始め、北極、南極、アマゾン、北欧、それに北海道から沖縄まで日本各地で撮影した写真を見直してみると、よくもまあ色々な場所に行ったものだと、我ながら感心する。

そうした写真を掲載するたびに、読者から「珍しい写真を見て嬉しかった」とか「一緒に旅をしているようで楽しかった」、「心が安らぎ、気持ちが和んだ」などの感想をお寄せ頂いて来たが、そうした読者の皆さんからの声が私をして、ここまで写真撮影とホームページの掲載を続けて来られた原動力だったことは確かである。
 

 

積雪の中の栗林


今回はこの冬最後になるかもしれない八ヶ岳山麓の雪景色である。読者は「枝垂れ栗」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 「枝垂れ(しだれ)柳や」「枝垂れ桜」ならあるだろうが、「枝垂れ栗」は初耳の人が多いに違いない。かく言う私とて、最近になって人から教えられるまで聞いたことのない言葉であった。

私の家から車で1時間半ほどの地、長野県上伊那郡辰野町に「しだれ栗森林公園」という国の天然記念物に指定された「枝垂れ栗」の自生地がある。友人からその存在を知らされ、雪の中の風景は素晴らし いと教えられた。

2月27日、雪の上がった午後、写真に収めようと出掛けてみた。中央本線の小野駅から「しだれ公園」に向かう途中の山道は除雪がされていないので、降雪の量によっては途中で車を置いて山道を歩くことになる。しかし、難儀して訪ねただけのことのある場所であ った。

文字通り「枝垂れた枝」に雪が積もった数十本の「枝垂れ栗」が自生する林は、独特の風情を見せていた。春の芽吹きの頃や秋の紅葉の季節もなかなか素晴らしいようだが、やはり雪をかぶった景観は墨絵風で独特の美しさが漂い、 写真を撮る人間にとっては心が弾む景観である。

公園内には数十本の枝垂れ栗が自生していたが、その中でも一本の老木が目をひいた。他の木に比べて一段と雪をかぶったその姿は威風堂々として威厳に満ち ており、人間界の古老を思わせる風格を漂わせていた。

少しでも絵になるカットを撮ろうと、現地に着いてから4時間ほど粘って、向かいの山に登ったり周囲を巡回していると、夕方、周りが少しばかり暗くなり始めた頃、栗林の奥の方に霧が掛かって幻想的な雰囲気が漂い始めて来た。後方の景色がぼけた分、手前の枝垂れ栗が浮かび上がり、ファインダーを覗くと、そこには墨絵調の景観が広がり幻想的な雰囲気が浮かび上がってきた。 最後の2枚の写真は、自然が織りなすほんの一時の景観であった。

周りを見回すと、先ほどまでいた数人のカメラマンの姿はなく、カメラを覗いているのは私だけになっていた。風景写真は時間帯によっていかようにも撮れるが、こうした幻想的な雰囲気に出くわすのはその時の運次第である。幸い私はそうした幸運に遭遇することがままあるが、やはり時間をかけて粘り強く時を待つことが必要なのかも知れない。

読者も膝まで雪が積もった急斜面の山道を登り降りしたり、氷点下の中でファインダーを覗く気持ちで見て頂けたら、枝垂れ栗が何かを語りかけてくれるかもしれない。 6枚の写真によって読者の心が少しでも安らいで頂ければ幸いである。


 



 


山の上に登る
途中の雪景色
 

山頂からの展望

妖怪な雰囲気が漂う
枝垂れ栗林

 



 


威風堂々とした
風格を見せる老木
 

霧の中に浮かぶ
枝垂れ栗林 @

A


 

★ なお、この写真の撮影の後、不注意にも雪をかぶった氷の上で転倒し、強度のむち打ち症を発生してしまいドクターストップがかかって、しばらくの間、執筆 活動が出来ない状態になってしまった。そのため、HPの掲載は間隔を置くことになりそうなので、ご容赦頂きたい。 

 

 

 

 

 

 

 

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