イスラム主義勢力のタリバンが復帰したアフガニスタンでは、何百万人の人々が職を失い国民の半分の1400万人の人々が食糧援助を必要としている危機的な状況にあることは、先般「目を覆いたくなるアフガニスタンの惨状」でお伝えしたが、今もなおこうした状況は一向に改善しておらず、厳しい寒さの中一段とその厳しさが増してきているようである。
そんなアフガニスタンに対し今朝のイギリスのBBC二ユースは、世界銀行が凍結されていた基金の2億8000万ドル(300億円)をユニセフなどに移管し支援を促進していることや、国連安全保障理事会が人道支援活動は制裁の対象にならないとする決議案を採択していることを伝えていたが、アフガンの各地には今もなお食糧や医薬品が全く届いていない悲惨な状況下にある地域も数多く残されており、その目をそらしたくなる惨状を伝えていた。
小麦などの主食が30%以上上昇する状況下、収入源が途絶えた避難民の中には幼い娘を嫁がせて「結納金」を受け取り生活費に充てている家庭や、自らの臓器を売って食いつないでいる家庭も多く、公務員でさえも4カ月以上給与が未払い状況が続いており困窮しているようである。
ニュースで伝えられる寄り添って寒さに耐えている子供たちや、やせ衰えた乳幼児の姿を見ると、今のアフガニスタン情勢は世界で最悪な状況下に置かれていることは間違いないようである。こうした状況を目にするたびに、10年前に米国が為したアフガニスタンに対する戦闘が今いかに悲惨な状況をもたらしたかを改めて認識することとなる。
こうした米国という国家が為して来たカルマの大きさを見るにつけ、コロナの感染数が6000万人を突破し、死者数が85万人を超えた今の米国の惨状はまだまだこれから先、その度合いを増すことはあっても、沈静化することはなさそうである。