昨年には、イタリアのシチリア島のエトナ火山、カリブ海のセントビンセント島の火山が噴火しており、また今年に入ってはオーストラリア西岸のトンガ島の噴火が発生している。それについては、(「カリブ海のセントビンセント島で爆発的噴火」)と(「トンガ島近海で「1000年に1度の大噴火」)でお伝えした通りである。
そんな中、昨日のニュースは数日前に発生した中米コロンビアのネバドデルルイス火山の噴火を伝えていた。実はこの火山は過去にも何度か噴火を起こしているのだが、この山は富士山を遥かに上回る5321mの高さがあり、1985年に発生した噴火では20,000人を超す犠牲者が発生していたのである。
死者の数が多かったので驚いて調べてみたところ、発生したタイミングが冬の積雪期であったことから、火口から流れ出た火山灰や溶岩などの火砕流が山腹
に積雪した大量の雪を溶かしながら流れ下ったため、山麓の多くの家屋がそれらの雪に飲み込まれてしまったからであった。まさに積雪中の噴火の怖さを示す一例であった。
そんな情報を読みながらふと窓の外に浮かぶ霊峰富士の姿を眺めると、今もなお五合目付近まで雪が積もっ姿が浮かんでいた。恐らくこうした積雪は3月
末頃までは続くのではないだろうか。だとしたら、もしも富士の噴火が発生する事態となった時、その季節が12月から3月頃にかけての積雪の期間であったとしたら、ネバドデルルイス火山と同じような事態が発生することになるかもしれない、そんなことが頭に浮かんだ。
そんなことを考えているうちにあっという間に時間が経過してしまい、窓の外には夕日に染まる積雪の美しい富士の姿が浮かんでおり、その姿は心を癒してくれていた。しかし、富士の噴火は世界の活火山の噴火の先駆けとなると言われているだけに、遠からずしてその時がやってくることは避けられないと思われるだけに、噴火の規模が小さいことと、積雪の期間を避けてくれることを願わずにはおられなかった。