ロシア軍によるウクライナ西部の首都・キエフへの侵攻が始まってから18日目を迎えた昨日、ウクライナ軍施設への空爆により、新たに35名の市民が巻き添えとなって死亡、これまでに市民の死者数は550人に達している。
どうやらプーチン大統領は当初、キエフへの侵攻は短期間で終わると考えていたようである。それは短期戦を予想していた治安機関幹部の3人に対して、先日、自宅軟禁を銘じる厳しい措置に踏み切ったことをみれば明らかである。
しかし、ここまで事態が進んだからには今更退くわけにはいかないだけに、これから先、案じられるのはキエフの30キロ西に隣接するEUの一国・ポーランドへのロシア軍の侵攻である。それは私がかねてから案じて来ていた「ロシア対EU」戦争の始まりとなるからである。
ただこうした事態を避けようとEUは今もなお、ポーランドの上空をウクライナに侵攻するロシア空軍機の飛行禁止区域に指定する措置に踏み込めずにいる。しかし、このままではウクライナ軍と市民の死者は増える一方であるだけに先行きが心配である。
一方、米国はロシアに対しては原油や天然ガス、石炭の輸入を禁止する経済的な制裁を科してはいるものの、バイデン大統領は軍事面では230億円の軍事費の支援は検討しているが、
軍を送らない考えを繰り返し示している。どうやら、現在の米国はかっての覇権国家としての地位からは遠ざかっており、もはや、直接、軍を派遣できる状況ではなくなってきているようである。
こうした状況下で懸念されるのは、ウクライナ支援に踏み込まざるをえなくなった時のEUとロシアとの対決である。米軍が参戦しなければ、保持する戦力でロシア軍に劣るEU軍は遠からずして破れ、やがてロシアが敵視するユダヤの聖地・イスラエルの地にロシア兵が立つ時が来ることになりそうである。それは人類の歴史に終止符を打つ時とされているだけに、身の毛がよだつ思いである。