4日付の記事「懸念されるオミクロン株による米国の医療崩壊と東京直下地震の発生」で、小笠原諸島で震度5の地震が発生したことに関して、小笠原諸島はフィリピン海プレート上に位置しており、今回の小笠原諸島の地震は首都直下地震や南海トラフ地震などが刻一刻と迫っている一つの証拠と思われる」と語っておられた武蔵野学院大の島村英記特任教授の発言を掲載させて頂いた。
そのフィリピン海プレートに連なるオーストラリア西岸の太平洋プレート上に位置するのがトンガ諸島である。そのトンガ島近海の海底火山が
15日に噴火し、島では2メートル程の津波が発生して大きな被害が発生しているようであるが、通信網が途絶しているため被害の詳細な状況は把握できない状態にある。
しかし、住民の一人が語った所では噴火も津波も大きく、近くで爆弾が爆発したのではないかと思われたほどで地面が大きく揺れ、家も揺れたと語っていた。
また直近の情報ではトンガの住民は雨水を飲み水に使っているため、火山灰の広がりによって飲み水が十分に得られない状態に陥っているようである。
今回のこの噴火で私が驚いたのは、噴火による津波の発生が記録にない程異常であった点である。気象庁によると、小笠原諸島に父島(東京都)で
潮位変化が観測されたのは15日の午後8時ごろ。それは気象庁が通常の津波の場合に予測していた到達時間より何と2時間も早かったことである。
どうやら津波は信じ難い速さで進んだようである。
加えて、海底火山から日本へ津波が伝わる途中にあるサイパン島やミクロネシア領ポンペイ島などの観測地点で、大きな潮位の変化が観測されなかったのである。通常、火山噴火や地震のような地殻変動が引き起こす津波は、遠く離れるほど威力が弱まり、津波の高さも小さくなる。ところが今回は驚くことに8000キロも離れた日本で、途中の観測点を超える大きさの津波が到来していたのである。
更に8500キロ以上離れた北米や南米の西海岸でも最大2メートルの津波が観測されており、これは極めて珍しい現象で、東北大の今村文彦教授は
「日本では今回のような津波が過去に発生した記録がなく初めての事例で、また通常の海底噴火による津波は局所的な影響に留まるが、今回は日本まで影響しており、非常に驚いた」と語っている。
どうやらこれから先、多発する可能性が大きいと思われる海底噴火は、今回と同様に遠方まで深刻な被害をもたらす可能性が大きいので、島国に住む我々
、特に海岸沿いに住んでおられる方々はそうした点をしっかり頭に入れておく必要がありそうである。小笠原諸島と東京湾ではわずか900キロしか離れていないことをもお忘れなく。
追記
In
deepの岡氏の記事を読むと、西暦536年から世界中で始まったペストや天然痘は干ばつや大洪水が発生した年代と一致しており、それは数十年にわたって続いたようである。そしてその要因は536年と541年に赤道の周囲で発生した海底火山が影響していた可能性が大きいようなので、今回の赤道の南側に位置するトンガ島近海の海底火山は頭に入れておかれた方が良さそうである。
この記事は1月16日に掲載したものであるが、17日の午後に読者からHPが見れませんというご連絡を受け、チェックしたところ確かに見れない状況になっていました。その後、その原因が分からず、現在に至っています。17日午後5時。
追記2
ご迷惑をお掛けしましたが、17日夜7時の段階で閲覧ができるようになりました。