10月5日、地元の写真クラブの面々と乗鞍高原を訪ねた。東京と札幌の講演会を直前に控えて丸1日の撮影は時間的に厳しかったが、インターネットで調べるとちょうど紅葉が見頃で、天候も良さそうだったので参加を決断。
ホームページ「猛暑から厳冬へ」を夜半過ぎまでかかって書き上げて床についたのが3時過ぎ。集合時間が6時なので5時には起床というかなりきつい日程であったが、天候とタイミングに恵まれ
、無理を押して頑張っただけの甲斐のある撮影となった。
乗鞍山頂へ向かうには乗鞍高原ラインを走ることになるが、一般の乗用車は標高1000m付近の入り口から先へは上がれない。
自然保護のための乗り入れ禁止措置のためである。そこからはタクシーを利用することになるが、今回はマイクロバスを使っての撮影会なので、そのまま頂上へと進み、
何回か途中で降りて撮影しながら頂上へと向かう。
途中、標高1500m地帯にある一ノ瀬園地の「まいめ池」と「ドジョウ池」に立ち寄る。まだこの高さだと紅葉しているのは「ダケカンバ」や「ナナカマド」「カエデ」などほんの一部の樹木だけ。それでもススキの穂が揺れる中、初秋の澄んだ空気を吸いながらの撮影は気分最高。
更に先に進んで標高2000Mを超す辺りから、景観は一気にカラフルとなる。夏の猛暑の後、残暑が続いたので今年の紅葉は大分遅れるか、あまり色づきが良くないのではないかと案じていたが、全てが杞憂に終わった。紅葉の時期も平年と変わらず、その艶やかさはここ数年目にしたことのないほどで、さらに快晴の天候も加わって
澄み切った青空の下、目にしみるような最高の紅葉を目にすることが出来た。
どうやら、標高2000Mから2700Mの山頂にかけての一帯は、9月の末頃から一気に冷え込んだようである。希に見る気象状況と最高の見頃のタイミング、それに快晴に恵まれたまさに「一期一会」となる撮影の旅であった。
何かと暗いニュースがつづく今日この頃であるが、どうぞ読者におかれては、乗鞍山頂とその裾野に広がる艶やかな紅葉の景観をご覧頂いて、心を和ませて頂きたい。喜んで頂ければ苦労のしがいがあったというものだ