駅を出ると直ぐに満々と水を溜めた黒部湖が目に飛び込んでくる、標高は1455m。「黒四ダム」の愛称で親しまれている黒部ダムは、関西電力が水力発電のために黒部川を堰き止めて造った
4番目のダムである。総工費は建設当時(1956〜63年)の費用で513億円。これは当時の関西電力資本金の5倍という莫大な金額であった。
1000万人を超える延べ作業員数と、工事期間中の171人に及ぶ殉職者数は、いかに工事が苦難を極め
たものであったかを如実に物語っている。その様子は映画「黒部の太陽」やNHKのドキュメンタリー番組「プロジェクトX〜挑戦者たち」で紹介され
ているので、読者もご覧になられたことだろう。
建設から半世紀が過ぎた今でも、ダムの高さは186mで日本一を誇っている。今年は6月26日から放水が始まっており、10月15日まで続く。放水の様子を写真に撮ろうと展望台へ。眼下
を見ると、巨大な放水口から飛び散った水蒸気に太陽光が当たり、綺麗な虹の橋が架かっている。
木々の緑を映した黒部湖を眺めながら、ダムの上を渡り黒部湖駅へ。そこから黒部平駅まで再びトンネルの中をケーブルカーで上がる。乗車時間は5分と短い。
次はロープウェイに乗り継いで大観峰駅へ。標高差488mを10分で一気に登る。2316mの駅の展望台から眺める「後立山」は実に雄大である。
さらに大観峰駅から立山トンネル・トロリーバスに乗り継いでいよいよ目的地の室堂へ。
次回に続く