心を和ませる花の精霊
異常な暑さが続いた残暑もようやく収まりはじめ、八ヶ岳高原にも天高く澄み渡った秋空が見られるようになってきた。連日、暗いニュースや悲しいニュース、腹立たしいニュースが次々と伝えられる今日この頃であるが、こんな時、心を和ませてくれるのは自然である。
厳しい環境変化の中、一心に芽を出し精一杯可憐な花を咲かせる小さな草花。それらも皆我々と同じ命を持った生命体である。小さいながらもチョウや昆虫たちに蜜を与え、自然界の生命(いのち)の循環の大きな役割を担っている。そればかりか、ひっそりと草陰や道端に咲きながら、道行く人々の心を癒やし、和ませてくれている。
そんな大切な役割を持った野草たちの中には、人間の勝手な振る舞いで次々とその数を減らし、目に触れることが次第に少なくなって来ている種がたくさん出てきている。なんとも残念な事である。1週間ほど前、入笠山の湿地帯とその周辺を散策した時に、出会った可憐な野草の姿を写真に収めてきたので、ご覧頂くことにする。
小さな草花たちは、最近の人間たちの愚かな諸行をどんな思いで眺めていることだろうか。