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大嘗祭ゆかりの悠紀田(ゆきでん)


神宮に参拝するには「一の鳥居」から石段を上がる方法の他に、高台の駐車場から巨木が林立する参道を通って参拝する方法がある。巨大な木には神々の御玉が宿ると言うから、これらはみな天神木ということになる。神宮に近づくと、ニニギノミコトが降臨されて、ここから各地へと旅立たれたと書かれた案内柱が目につ く。どうやら幣立神宮の伝承ではカムロギ・カムロミ神だけでなく、ニニギノミコトもこの地に降臨されたことになっているようだ。

拝殿に参拝したあと、奥にある鳥居をくぐって 200mほど階段状の坂道を下りて行くと、東御手洗(ひがしみたらい)と呼ばれる湧き水が流れ出る聖地に出る。神代の昔、降臨されたニニギノミコト(饒邇芸命)がこの神水で全国の主要地を浄められ た、とされており、また中国の始皇帝は「不老不死」の霊薬をこの神水に求められた、とも伝えられている。

お参りしたときには、ポリタンクをかかえて、お水取りに来られた方もたくさんおられた。写真Oの左右の竹筒から流れ出る水は、湧き口が違っており味が違うと言われている。何杯か頂いてみたが、、どちらも大変おいしい水で、爽やかな気分になることができた。

近くには、北辰妙見(ほくしんみょうけん)の大神が祭られた「東水神宮」や八代竜王が鎮まる「水玉の池 」がひっそりと鎮座しておられる。そこはまた、神代の【天の村雲姫】(あめのむらくもひめ)が水徳を頂かれた霊地でもある。この東御手洗の横にあるのが悠紀田(ゆきでん)と呼ばれる 神田(しんでん)である。

天皇の即位の儀式の中で最も重要な儀式である大嘗祭(だいじょうさい)は、主基田(すきでん)と悠紀田(ゆきでん)で育てられた稲穂をもって、天照大神をはじめとする皇室ゆかりの神々にお供えし、誓いを立てる儀式である。

もともとの主基田は幣立神宮の西御手洗にあった神田で、悠紀田は現在東御手洗にある神田である。かって幣立神宮の祭神に献上する稲を作っていた場所を、西御手洗(にしみたあらい)から東御手洗(ひがいみたらい)の地に移した時の田植えの祭りが、大嘗祭の基となっているのである。

その後、神武天応の東遷によって東御手洗の稲穂は東の地へと移っていった。そのため、皇室のある東の地の神田のことを悠紀田(ゆきでん)と呼び、西の地、九州に残された神田を主基田(すきでん)と呼ぶようになったというわけである。

この主基田と悠紀田の存在は、幣立神宮が太古の歴史を持った天皇家ゆかりの地であることを示している。

            



 

拝殿に延びる参道

参道の両脇に立つ巨木


光を放つ
「五百枝杉」(いおえすぎ)
 

 



 


巨大杉
 

拝殿


正面横手から眺めた
拝殿
 



 



 

「天神木」と呼ばれる御神木

神漏岐神(カムロギノミコト)、
神漏美神(カムロミノミコト)の
降臨地に生えた日本一の巨檜。
天に向かって2本の幹が
悠然とそびえている。

天神木

代々、命が受け継がれ、
現在の幹は崇神天皇の御
世に、10代目として生まれ、
命脈樹齢は1万5000年を
数えると言われている。


東御手洗

二カ所から出る湧き水は
軟水と硬水の違いがある
ようだが、どちらも非常に
おいしいご神水である。

 



 



 



 


東水神宮

東御手洗の地に立つ神宮には、
北辰妙見(ほくしんみょうけん)
の大神が祭られている。

現在の鳥居は木造であるが、
霊眼のある方が見ると、圧倒
されるほど大きな石造りの
鳥居が見えるという。
 


水玉の池

西八代竜王が鎮まる聖域で、
この地を荒らすと日本全国
風水害が起こると言われている。
 

悠紀田(ゆきでん)

この田んぼから育った
稲穂が日本の稲作の
始まりとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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