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摩周湖を訪ねる



昨夜は、知床半島を走ったあと、中標津(なかしべつ)町にある養老牛(ようろうし)温泉に宿を取った。知床や阿寒、釧路湿原など北海道を代表する国立公園や道立自然公園に囲まれた養老牛は、知る人ぞ知る道東観光の穴場である。中でも宿泊した「湯宿だいいち」は野村君の推薦する宿 だけあって、大変感じのよい宿であった。

養老牛(ようろうし)とはアイヌ語で「エオロシ」のことで、川の中に突き出た大きな岩という意味である。和人が入植してくるまでチャチャ半造という名のアイヌの長(おさ)が 住んでおり、毎夜の如くイヨマンテ(熊送りの儀式)が行われ、祭壇には熊の頭蓋骨が300体ぐらい祭られていたと言われている。

考えてみれば、つい数十年前までこの辺り一帯はアイヌの人々が穏やかに暮らす、寒村であったのだ。北海道を旅すれば至るところで漢字化したアイヌの地名に出くわすが、入植した和人(倭人)によってその地を追われ、厳しい環境に追いやれられたアイヌの人々の魂は、清らかなまま天上界に戻ることが出来たのだろうか。

宿泊した宿は近くに、「シマフクロウ」や「エゾクロテン」などの野鳥や野生動物がやってくることでも有名である。残念ながら、宿泊した夜にはクロウは姿を見せず撮影が出来なかったが、翌朝カケスなどの野鳥と可愛らしいエゾクロテンの姿を写真に収めることが出来た。(写真H〜J)

20日は札幌に向かう途中、通り道にあった摩周湖に寄ってみることにした。湖のある高台の麓(ふもと)に近づくにつれ曇り空となってきたため、綺麗な摩周湖の姿は見 ることは無理だろうと諦めていたが、なんと不思議なことに、山頂に着くと、その上空の一角だけが雲が切れて日が射しており、白雪の積もった高台 から眼下を見下ろすと、コバルトブルーの湖面が周囲の山や岸壁の白銀に囲まれて一段と輝き、素晴らしい風景が広がっていた。

思っても見なかった景色だけに、人気のない展望台で小躍りしながら急いで写真を撮り終え、帰路につこうと車に乗り込んだ直後に、今までの天気が嘘のように、一気に展望台周辺は厚い霧と雲に覆われ、小雪がちらつき出した。まさに、天から頂いたご褒美の一時であった。感謝感激である。
 

 



 

@ 養老牛(ようろうし)温泉
周辺の景色


A 摩周湖山頂の樹氷(1)
 

B 摩周湖山頂の樹氷(2)

 



 


C 展望台から眺めた摩周湖 (1)
 

D 摩周湖(2)

E 摩周湖(3)

 



 

F 摩周湖(4)

G エゾシカ


H エゾクロテン
 

 



 

I シジュウカラ


J ゴジュウカラ
 

K ミヤマカケス

 

 

 

 

 

 

 

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