国連のデミストラ特使がシリア政府とロシア政府に対して「あなたたちが行っている戦闘行為は人道上許されることではない」と異例な警告を発したことについては、「国連特使、シリア内戦で異例な警告」で記した通りである。 しかし、その後、プーチン大統領は「紛争の一番の責任はオバマ大統領と欧米社会にある。現在の米国政府と対話することは非常に難しい」と語っている点を見ると、空爆の真相は別にして、どうやらデミストラ特使の発言は完全に水泡に帰してしまったようである。
現にアレッポ東部の反政府軍の支配する地域への空爆はその後も続いており、海外情報によると、この48時間の間に子供30人を含む100人を超す死者が新たに発生しているようである。 もはやシリア休戦は完全に万策尽きた感じで、このままの状況が続くようなら、残された25万人の市民が飢餓と死に直面したまま、クリスマスまでには街は完全に破壊されて、人に住める状況ではなくなってしまいそうである。
一方、隣国イラクでも目を覆いたくなるような惨状が続いている。 現在、イラク軍がIS(イスラム国)によって占拠されているモスルの町の奪回に向かって作戦を展開しているが、今朝のフランスのテレビ局「F2」は、既に奪回されたモスル近郊の町の厳しい状況を伝えている。
破壊された町は真っ昼間だというのに黒い煙に覆われ、まるで夜のよう。 戦況が不利になったISが敵機の操縦士の視界を遮るために13ヶ所の油田に放火し、立ちこめた煙が町を覆っている為である。 過激派集団ISの行っている行為はまさに悪魔の所業である。 大義名分のないまま町を占領し、町を脱する人々は撃ち殺し、子供たちには銃を持たせて戦闘に参加させ、若い女性たちは兵士の慰めごとに使っている。
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モスル近郊のカラヤの町の惨状
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アルカイダやタリバンなどテロリストと称される集団は幾つもあるが、ISのひどさは群を抜いている。 彼らが為している行為は、もはや戦闘ではなく虐殺行為だ。 罪もない子供や市民を虐殺して、何がイスラム教だ! 何が建国だ!
こんな残虐非道な集団を世に出し裏から支援しているのは、どこのどいつだ!。 いくら隠したとて天は全てを承知している。 彼らが背負ったカルマは尋常ではない。 彼らが死後に塵と化すことは間違いないが、その前に、想像を絶する恐怖と苦しみを味わうことになる。 彼らが向かう世界は「地獄が天国に見える世界」だ。 どんな世界か想像してみて欲しい。 そこは地獄より遙かに恐ろしい世界なのだ。
シリア、イラク、アフガニスタン、イエメン、・・・・・ こうした国々の人々を救う手立ては一向に見えぬまま、戦火は拡大し死者の数は増える一方である。 そんな状況下、今の我々に出来ることは、戦火から逃れて来る難民たちに救いの手を差し伸べることぐらいしかない。 先般、「国境なき医師団」や「国連UNHCR協会」のスタッフと話したが、現地で支援にたずさわっておられる人々も必死の思いで頑張っておられるようであるが、心が暗くなるばかりだと語っておられた。
義援金
今回支援の一助となればと思い、写真の販売の収益金を「国境なき医師団」と「国連UNHCR協会」に寄付させて頂くことにした。 もしも、読者におかれては、徳乃蔵に来られた際にこれはと思う作品があったらお求め頂ければ幸いである。 ただ、事態が急激に悪化してきているので、時を逸しないように、先に義援金を振り込んでおくことにしたので、読者は時宜を見てお求め頂けたらと思っている。
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